線路は続くよ 一応ね

トキめき鉄道は並行在来線です。
並行在来線というのは、新幹線の開通を条件に、それまでの在来線を地元が引き受けるというお約束でできた会社です。

新幹線が開通すると特急列車が廃止されて皆新幹線になってしまいます。
特急列車というのは乗車券の他に特急料金が加算されますから、とても高額な商品で、そのお客様が皆新幹線に行ってしまうということは、在来線は地域輸送だけになって利益が出なくなります。

でも、「新幹線が欲しいんだったら、きちんと在来線も引き受けなさい」というのが国鉄民営化後の国の考え方ですから、先月開業した西九州新幹線も、今度福井まで延伸する北陸新幹線も、そりゃあ、新幹線が欲しければ在来線は引き受けなければなりません。

でも、引き受けた在来線は利益が出ないところですから、当然経営は厳しくなります。
なぜなら、新幹線開業後も利益が見込めそうなところは、JRが切り離さないから。
長野県の長野-篠ノ井間も、九州の博多-熊本-新八代間も、川内-鹿児島中央間も、JRになってから新幹線が延伸開業した並行在来線であるにもかかわらず、第3セクター鉄道になっていません。それは、JRが利益が見込めるからと言って切り離さなかったからです。

ということは、トキめき鉄道を含めて第3セクター化されている並行在来線は当初から利益が見込めないところを引き受けたところだということは明白ですね。
だから、そういう会社の社長に向かって、「赤字はけしからん! 黒字化できないのはお前の経営者としての能力が足りないからだ!」と言うのは、ピントがずれていて、「はぁ?」なわけであります。

つまり、これは基本中の基本です。
私は世の中の法則や基本原則というものを常に大事に思っていますから、おかしいと思ったら「はぁ? あなた何言ってるんですか?」と思うのでありますが、そういう私のような天邪鬼な人はふつうは鉄道会社の社長にはさせてもらえませんね。
「赤字はけしからん!」と偉い人から言われたら、経営者としては「何とかしなければ」と思うのがもう一方の世の常でありますから、ではどうするかと言うと、仲間が集まって、皆でいろいろ考えて、なんとか会社をよくしていこうという組織を作って頑張っているのです。

その組織というのが並行在来線協議会といいまして、幹部の皆様方が集まってそれぞれの取り組みの成功事例や失敗事例をシェアしあったり、あるいは1社では話を聞いてもらえないことでも、皆で連名になれば上にだって声が届きやすくなりますから、そうやって共通の問題点をあぶり出したり個別の問題点を共有して、力を合わせてやってきているのです。

ということで、その並行在来線協議会の幹事が今年はえちごトキめき鉄道だということで、昨日、一昨日と2日間にわたって視察の勉強会が行われました。
トキめき鉄道としては雪月花や観光急行、レールパークなどを見ていただいて、皆様方に取り組みをご紹介させていただきましたので、ご紹介させていただきます。

D51の前で記念撮影
良いお天気で良かったです。

ヤクザな社長が出てくると何を言い出すかわからないということで、春田部長が皆様をご案内。レールパーク行の回送列車にご乗車いただいてD51の乗車体験をしていただきました。
ターンテーブルの上で回転するD51に皆さんテンション上がっていました。

中にはマニアの方もいたようですが、とりあえずお仕事ということで、マニアがバレずに良かったですね。

この30年で鉄道がどんどん分断されて行って、いったいどうなってしまうのだろうかと不安になる方もいらっしゃるとは思いますが、こうして一応線路はつながっているのです。
今回は並行在来線会社の集まりでしたが、国鉄の廃止対象路線を引き継いだ第3セクター鉄道も合わせると、40社が連携して頑張っていますので、皆さん、鉄印の旅をよろしくお願いいたします。