禁断の押し放題

なんだかな~ の毎日ですね。

私は上越に来てからというもの、できるだけ公共交通機関を利用しようと思いまして、トキ鉄はもちろんですが、路線バスによく乗るようになりました。

千葉県に住んでから30年以上経ちますが、路線バスなどというものにはまず乗ったことがなかった。
空港勤務者にとってみれば、路線バスというと空港リムジンバス。
都内まで直行する高速バスは利用しますが、「つぎ、止まります。」のボタンを押すバスは子供のころ以来乗ったことがない。

その子供の頃のバスというのは東京のバスで、物心ついた時には車掌さんという女の人が乗っていて「お降りの方はいらっしゃいますか?」と声をかけると、降りる人は手をあげる。
すると車掌さんは「願いま~す。」と言って運転士さんがバスを止める。

この「願いま~す。」というのが、運転士さんに対する敬語のようで、「なんか変だなあ」と思っていましたが、その車掌さんがいつの間にかいなくなって、ワンマンバスになると、最初はブザー。押すと「ブー」って鳴るやつ。

それからピンポンになって、いつの間にボタンにライトがつくようになりました。

そういう都会のバスは、たいていは均一料金ですから前から乗って、その乗るときにお金を払う。そして降りるときは後ろのドアから。
そういうことがワンマンバスだと思ってきた人間にとって見ると、まず、後ろから乗るということが不思議。
後ろから乗って整理券を取る。
整理券は乗った場所を示していて、運転士さんのところに降りる場所までの路線の運賃表が出ていて、乗った整理券の番号のところに表示されている運賃を払う。
つまり、均一運賃ではなくて、乗った距離に応じて運賃が変わるシステム。

実はこれはなかなか難しい。
なぜかというと、どこで運賃が変わるかもわからないし、次の運賃がいくらになるかもわからない。

「次は○○3丁目。お降りの方はお知らせください。」

というアナウンスが流れて、ボタンを押していると運賃表が変わり、その運賃を用意しなければならない。

手前の停留所まで350円が表示されていたとします。

100円玉3枚と、50円を用意していたら、自分の停留所のアナウンスが流れたとたんに金額が変わる。
それも30円単位なのか50円単位なのか、はたまたランダムなのか。
前の停留所までの運賃表に表示されている始発からの運賃の上昇段階を見てある程度想像しながら、「400円用意しておけば大丈夫かな?」と思っていると「410円だったりする。」

そうなると、もう一度財布から「あと10円」と探さなければならない。
でも、降りる停留所が近づいてバスが止まってしまう。

困ったなあ。

500円玉はないし、1000円札の両替か。

あっ、そうだ。
スイカもってるんだった。

そう思って運転士さんに、「スイカ使えますか?」と聞いて、運賃箱の四角いタッチ場所を指差されるので、そこにスイカを付けると「ブッブ~~」

「お客さん、乗るときタッチしましたか?」

「え~、してません。」

「じゃあ、ダメですよ。」

そう、整理券を取る代わりに乗るときタッチしてないとだめなのよね。
そんなこと知るか!

そしてもう一度財布から1000円札を出して、運賃箱に入れようとすると、今度は「両替ですね。」

カチャカチャ、チャリンチャリン。
と百円玉と10円玉が大量に放出される。

出てくる小銭はおつりじゃなくて両替ですからね。
おつりだと思って全部持っていこうとすると、怒られる。
ふつうに考えたら、1000円札入れて出てくるのはおつりだろう。
と思うけど、運賃箱というのはそうなっていない。
これは電車も同じ。

下の取り出し口に勢いよく放出される小銭。
それを片手でかき集めて、「え~と、410円」とより分けなければなりませんが、そういう時はだいたい焦っているから思うように指が動きません。

気が付くと後ろの乗客が白い目でこちらを見ている。

「何だ、あいつは。バスにも乗ったことがないのか・・・」って感じ。

やっとの思いでお金を払って、バスを降りると後ろでドアがプシュ~~。

なんとなくこれ見よがしにバタンと閉めやがったって感じだけど、多分そう思うのは私だけ。

あぁ~~、バスに乗るのは何と難しいことか。

ということを新潟生活で何度か経験して、今日も私は如何にもいつも乗ってます的な顔で路線バスに乗ったのですが、如何にもいつも乗ってます的な顔をしようにも、乗客は他におらず。
終点まで私一人だけの旅でございました。

田舎のバスは恐ろしいですよ。

だって、このバス、もし私が乗らなかったら、乗客が誰もいないまま終点まで行ったのですから。

その証拠に、発車した途端に次のバス停を知らせるアナウンスが一つ手前の物。

あ~、誰も乗ってないんで、運転士さんもここまで適当にやって来たんだろうなあ。

だったらこちらも、停留所ごとに片っ端から押しボタンを押してやろうかしら。

一瞬そんなことが頭の中をよぎりましたが、そこは大人なのでよしておきましたよ。

でも、一度でいいから、片っ端からボタンを押してみたい。
そう思いませんか?

そんなあなたの欲望をかなえます。

禁断の押し放題!!!

バスのボタンを好きなだけ押せるイベントが、レールパークにやってきます。

5月3~5日の3日間。

直江津D51レールパークで、なぜか「禁断の押し放題」
レールパークとは言うものの、鉄道ではなくてバスですが、いかがでしょうか。

5月3~4日、直江津D51レールパークでお待ちしております。