オミクロン株の蔓延が急激すぎて驚き以外の何物でもありませんが、驚いてばかりはいられません。
今日はBCPの打ち合わせをして、その後はねうまラインの沿線を視察しました。
▲自撮り!
特に事前打ち合わせもなく、いきなり社長が運転席に乗り込んでくるのですから乗務員は驚きますよね。
添乗というのですが、私は以前からときどき予告なく添乗をしています。
別に運転士がきちんと規定通りの運転をしているかどうかをチェックするわけではありません。
もともと電車の運転士になりたかった人間ですから、こうして時々乗務員室に乗せてもらうわけですが、これって安全対策上も重要だと言われているようです。
まぁ、ふつうは社長は乗りませんからね。
でも、私はふつうではありませんから、「こんにちは、お邪魔します。」と言って乗り込むのであります。
いや、これがわたくし的にはふつうのことなのであります。
ではなぜ今日私が運転席に乗り込んだかというと、豪雪地帯のはねうまラインの線路設備を見るため。
今日は雨が降りましたが、このところ雪が落ち着いているので、線路の雪害対策設備がどう機能しているのか、この目で確認したかったからです。
高田駅です。
線路の両側に側溝があって水が流れています。
列車が駅間で抱えてきた雪をここで落としたり、屋根からの雪をここに落とすのです。
高田を発車したところ。
ポイントに雪がありませんね。
これは左側にある機械から熱風や電気を送り込んで温めているからです。
また、雪が降っているときはスプリンクラーで散水もしています。
そのために灯油でボイラーを稼働させて散水用の水を温めることもやっています。
南高田駅です。
線路の間に水が溜まっているのがわかります。
これは軌間消雪装置で、雪を抱えてきた列車がここに差し掛かると、その雪が落ちるのです。
これは春田さんが撮った写真ですが、雪の中を走ってくると列車こうやって車体の下に雪を抱えて走ってきます。
こういう状態でポイントに差し掛かると、ポイントに全部雪が落ちてしまってポイント不転換の原因になります。
南高田駅では山から下りてきた列車の雪をここで落として、高田駅のポイント不転換を防いでいます。
二本木駅です。
スイッチバックの折り返し線に入るところですが、ここにも軌間消雪装置があります。
折り返すところで雪がバサッと落ちますから、ポイント不転換させないために重要な装置です。
二本木駅にはポイントがたくさんあります。
すべてのポイントにはこうして雪を解かす装置が設置されていますが、いくら雪を溶かしていても、そこに列車が雪を抱えて入ってくるとポイント不転換の原因になります。
まぁ、ポイントは温かくなっていますから、列車の雪がポイントに挟まっても30分もすれば溶けるのですが、二本木のようなところは列車が通過したらすぐに折り返し線へのポイントを転換する必要がありますから、30分間溶けるまで待つことはできません。
新井-妙高高原間の運休の理由はこの二本木駅のポイント不転換が発生することもあるのですが、これだけいろいろやっていても雪が多いと発生してしまうのです。
関山駅です。
ここでもポイントに向かう線路に軌間消雪装置があります。
関山-妙高高原間の落雪防止柵。
ここまでくると積雪も2m近くあります。
そして妙高高原駅入口。
やはりここにもポイントの手前に軌間消雪装置があります。
雪を押しながら走ってきた列車の雪をポイントの手前で落としてから駅に入る装置です。
こうして、各所に雪を除去する装置が設置されているのですが、これははねうまラインの特徴で、新潟の湿った重い雪はもっと寒い地域の雪とは雪質が違いますから、こういう装置が必要なのです。
北海道なら水を撒いたらたちまち凍ってしまいますからね。
一口に除雪といっても地域によってさまざまな方法があるのだと思います。
妙高高原の駅にはホーム除雪用に小型の除雪機が。
ここだけではなくすべての駅に配置されているこの除雪機、地元では「ピーター」と呼んでいます。
妙高高原駅で見つけたかつての名残り。
こういうのが残っているのは楽しいですね。
私にとっては仕事ですが、こういう除雪装置などはこれだけで立派な観光資源になりますから、そういう観点から見てみると、また違って見えるから面白いなあと思います。
このところちょっと小康状態ですが、まだまだ大雪がやってきそうですから気を抜けないのであります。
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