今日はトロリーバスに乗りました。

標高2450mの立山室堂で目が覚めました。

相変わらず息苦しい。

気圧は760ヘクトパスカル。
標準気圧が1013ヘクトパスカルですから地上の4分の3ですから。
息苦しいのは当たり前です。

でも、楽しみにしていたのがトロリーバス。
今では日本で唯一のトロリーバスです。

皆さん、トロリーバスってご存じですか?
頭の上に架線があって、そこから電気をとりながら走るバス。
でも、交通の法律上は電車です。
無軌条電車。つまり、線路の無い電車という扱いです。

これです。
これが日本で唯一のトロリーバス。
数年前まで関西電力でも運行していましたが、架線集電をやめて電気バスになりましたので、今では乗れるのはココだけなのです。


後姿はこんな形。


扉を開けていただくと、本当ならばエンジンがあるところに電気の機械が入っています。

では乗せていただきましょう。
車内は普通のバスと何ら変わりはありません。
走り始めるとモーター音がするのが電車っぽいです。

全区間トンネルなのですが、途中ですれ違いができる場所がありまして、ココは立山直下。

これは昨日撮った立山の写真ですが、右の一番高く見えるところの真下がこのすれ違い場所ということです。

この青い電気の場所は破砕帯と言ってトンネル工事に大変苦労した地質の場所とのこと。

今年は立山黒部アルペンルート開業50周年との頃ですが、半世紀以上前の日本人はこんな山の下にトンネルを開通させたのですね。

トロリーバスの乗車時間は約10分。
わずか10分で立山の向こう側へ出たのですが、それがここ。
大観峰です。
下に見えるのは黒部湖。
ここからはロープウエイに乗り継ぎます。

途中に支柱が1本もないロープウエイというのには初めて乗った気がしますが、約7分で下に見える黒部平に到着です。

そしてさらに今度はケーブルカーに乗り継いで、傾斜角30度でトンネルの中を約7分走って、黒部湖に到着しました。

そして表に出ると、そう、ここが黒四ダムです。

あぁ、さっきまであの向こう側にいた立山が遠くに見えます。

堂平からトロリーバス、ロープウエイ、ケーブルカーを乗り継いでたどり着いたのです。
ここまでは立山黒部貫光さんが運営するルート。
会社名が観光ではなくて貫光と書くのが実に素晴らしいと思います。
そして、ここからは関西電力さんが運営する電気バス区間でふもとの扇沢という所まで行くのがいわゆる立山黒部アルペンルートなのです。

数年前までは黒部ダムから扇沢の区間もトロリーバスだったのですが、車体更新の時に電気バスに変更してしまいましたので、今では堂平から大観峰までが日本で唯一のトロリーバスということになります。

かく言う私も今をさかのぼること40数年前にここ黒部第四ダムに来ていたことを思い出しました。

その時は大糸線で信濃大町へきて、路線バスで扇沢へ。
扇沢からここまでトロリーバスに乗りました。
やはり途中に破砕帯もありましたね。
大変な工事だったんでしょう。

その時の写真は出てきませんが、大糸線の電車の写真はあります。

サハシが入った急行電車。
なんでこんなアングルで撮ったのかなあ。
まったく記憶がありません。

同じネガの次のコマがこれ。
懐かしい気動車のデコボコ編成です。

この時も黒四ダムには興味がなかったんですが、トロリーバスに乗りたい一心で乗りに来ました。
でも、ここから先の富山へ抜けるルートは学生の身には目ん玉が飛び出るほど高額だったので、扇沢へ引き返したのでした。

ということで40数年ぶりの訪問ということになりましたが、今日は富山側からの視察でしたので、この後はケーブルカー、ロープウエイ、トロリーバスに乗って、立山へ戻ったのでありました。

つまり、40年前も今日も、立山黒部アルペンルートは、私は走破していないことになるのですね。

ということは、もう一度行かないといけません。

確かに山も黒部湖も大変素敵な景色です。
日本有数の絶景です。
ふつうの人はそういう絶景を見ることが目的で、トロリーバスやケーブルカーはそのための手段なんでしょうけど、私は景色よりも移動手段が目的です。
これだけの区間に、こんなに素敵なコンテンツが詰まっているというのは、他にはありません。

これから、コロナが明けたら、皆さん、ぜひぜひ、日本で唯一のトロリーバスに乗れる体験を含む立山黒部アルペンルートをお訪ねください。

立山黒部貫光の皆様、今回は大変お世話になりましてありがとうございました。

また行きますので、どうぞよろしくお願いいたします。