外房のつり金目はいかがですか?

千葉県の認定ブランド品に外房のつり金目鯛があります。

https://www.pref.chiba.lg.jp/suisan/brand/ninteihin/sotoboutsurikinme.html

私も金目鯛は大好物で、千葉では刺身で普通にいただいているのですが、いかんせんお値段が・・・
だから、そうめったやたらに口に入るものではありません。

昨日、私の友人の木村成さんがSNSでその外房の金目をUPしていました。
御宿の岩和田漁港の名前がありましたので、おっ!と思ったのです。

他にもいろいろ。
こんな感じです。


このサバ、すごいですね。
サバは足が速いのですが、これは新鮮そのもの。


いやいや、旨そうだなあ。

これでもか、これでもかと、目の毒ですね。

「富山産のホタルイカと千葉の金目、久しぶりで涙が出そう。」
と、木村さんのコメント。

おじさん、単身赴任先でこんなうまいもの食べてちゃあ体に悪いよ。

と思うのでありますが、では木村さんがどこに単身赴任しているのかというと、中国の北京です。
北京でこれだけの魚が食べられるのですから、帰ってこれない今となっては涙が出るのもうなずけます。

中国の北京ではこんなに新鮮な日本の魚を食べさせてくれるお店がある。
おひとり様だいたい1万円予算だそうですが、赤霧島のボトルのキープも1万円。昨日は2万円コースのようです。

で、どんなお客様がこの店を利用しているかというと、日本人の駐在員はもちろんですが、中国人の若手富裕層が主だということ。
日本食は世界で人気ですが、中国でも旺盛な需要があるようです。

ところで、私としては気になるのは輸送のこと。
もちろん飛行機で運んでいるのですが、飛行機なら3時間もあれば北京に着いちゃいますからね。
つまり、朝とれた魚が夕方には北京に着くということです。

最近、関東のスーパーでも場所によっては五島のアジ、関サバ、呼子のイカなどを目にすることがありますが、朝とれたものを飛行機に積めば夕方には食卓に並ぶというのが、当たり前の時代になりました。

でも、本当に当たり前なのでしょうか?

千葉県はアクアラインで羽田空港に陸路で直結ですから別格なんですが、その他の地方にとってこの「当たり前」ができるのは羽田空港と空路で直結しているということが大前提になります。

どういうことかというと、富山―羽田は航空便がありますから富山県のホタルイカや寒ブリは北京で食べられるけど、新潟―羽田は飛行機が飛んでませんから新潟県の魚は北京では食べられないということです。
もちろん、トラックに積んで東京へ運んで羽田から飛行機に乗せることはできますが、それだと1日余計にかかることになりますから、つまりは富裕層向けの商品にはなりにくい。富裕層向けの商品になりにくいということは、高い値段で売れないということですから、ブランド化には不向きということになります。
ブランド化というのは付加価値をどう付けるかということですが、魚介類のブランド化は、この場合、その日のうちに、あるいは翌日に日本と同じ鮮度の条件で食べることができるというのが、付加価値なのです。

富山県の場合は、北陸新幹線が開業した時に、当時の交通政策を担当していた方が、私の言うことを素直に聞いてがんばって航空路線を残したのです。
だから、富山湾でとれた魚がその日のうちに、あるいは翌日には北京に届けられる。北京だけじゃなくて中国各地、台湾、東南アジアに届けることも可能です。つまり富山ブランドが海外進出できるのですが、新潟県は羽田への直行便を持っていませんから、これができないのです。

新幹線ができると航空路線が不要になる4時間の壁などということが、まことしやかに論じられていますが、そんなことは旅客輸送しか見ていないスーパードメスティックでパスポートも持っていないような鉄道マニアの延長線上にいる有識者が言っているだけのことで、いつのころからかこの国は交通というと旅客輸送しか考えなくなってしまいましたが、地域の発展のためには観光客に来てもらうのはもちろんですが、特産品をできるだけ早く届けるということも重要ですから航空輸送というのは必要なのであります。
新幹線ができても飛行機もあった方が良いのです。

今、JRも新幹線に新鮮な魚介類を積んで東京へ運ぶことを始めています。

では、新幹線で届けられた荷物はどうなるかというと、東京駅に着いたら台車に乗せて人力で運ばれる。ということはエキナカや駅の近く、せいぜい23区内の契約店に届けられる程度でしょう。輸送システムと言うには程遠い。輸送システムと言うのであれば、駅構内に荷物の仕分場があって、トラックが横付けされてサッと運べる体制が必要ですから。

あれは、「一生懸命頑張ってますよ。」というJR発信のニュースでありますが、それはそれで面白い取り組みですが、使い物になるにはまだまだ程遠いものがあるのです。

おそらく新潟県の皆様方は東京便の飛行機は40年も前に廃止になっていますから、自分たちが東京へ行く場合に飛行機という選択肢はありません。だから、飛行機など不要だと思っているでしょうし、偉い人たちもこんなことは夢にも思っていないと思いますが、交通というのはインフラであるということはそういうことなのです。

今、トキエアという航空会社を立ち上げる動きがあります。
佐渡と羽田を結ぶ路線を作るかどうかなんて話をしてますが、飛び出すのは今から早くても2年後のようです。
2年後なんて言ってないで、今すぐ、どこかから飛行機と乗務員を借りてでも私はやるべきだと思いますよ。
佐渡から羽田に飛べば羽田からは世界に通じてるのです。
そうすれば明日から佐渡ブランドが世界に羽ばたくことができるのです。

富山のホタルイカが北京でブランドになっているように、佐渡の牡蠣をはじめとする海産物が、とれたその日のうちに中国をはじめ、東南アジアの国々に大きな付加価値をつけて運ばれるのです。

今、コロナで世界中が足踏みをしています。
それに合わせて新潟県も足踏みをしていたらダメでしょう。
世界中が足踏みをしている今だからこそ、前へ出るチャンスだと私は考えます。

思い出すのは今から12年前。
私が前職に就任した時に、地元の偉い人たちから「お前はどうやってこの鉄道を立て直すのか?」と尋ねられました。
私が「観光鉄道にしますよ。そうすれば全国区になって地域も潤いますから。」と申し上げたところ、皆さん口を揃えて、
「観光鉄道? 観光なんて遊びだろう! お前は税金を使って遊びをやるのか?」と怒られました。

「え~と、そこから説明しなければいけませんか?」と思いましたが、当時の地域の偉い人たちはその程度だったわけです。だから衰退が止まらない。

「どうやって宣伝するんだ?」と聞かれましたので、
「インターネットがあれば予算も要りませんから大丈夫です。」と答えると、
「インターネット? お前までそんなことを言うのか!」でしたよ。

お前までというのは、当時、息子さんたちから「オヤジ、これからの時代はインターネットだよ。」と言われていたんでしょうね。

ローカル鉄道を上手に使えば、地域も一緒に浮上する。
そのためにはブランド化が必要であり、インターネットでの情報発信が必要です。
そう申し上げたのが12年前。

今、そうなっているでしょう。

私の予言は当たるんですよ。
だから、新潟県の皆さんも、富山県のように、きちんと私の言うとおりにしましょうね。

後になって、そういえばあいつはあんなことを言っていたなあ、と思わないように。

私もいつまで生きてるかわかりませんからね。

中国や台湾の人たちは大好きな日本に行くことができない。
だから何万円も出して日本のものを食べて行った気になってる。
ということは、人の移動は止まっても、モノの移動はチャンスなのです。

そう、今、私は大きなチャンスがあると確信しています。

なぜなら世界中が足踏みしているんですから、一歩踏み出すだけで他よりも前に出られるのですから。

あぁ、早く北京へ行って、岩和田の金目鯛を食べたいなあ。