今年のSL冬の湿原号

コロナ禍で世の中が大変なことになっている中、JR北海道が今年もSL冬の湿原号を運転しています。

会社の中でもいろいろ議論があったと思います。
それでもできない理由を探すのではなく、できる理由を見つけて運転してくれることを決めたことは、私は素直に称賛したいと思います。

東京や千葉に住んでいる身であれば、私の方も「行けない理由」を探したかもしれませんが、今の私は新潟県上越市に住んでいるのでありますから、「行けない理由」はありません。

茅沼駅のMYドーリンも気になるし。

東京や大阪からの観光客が見込めない。
インバウンドなどいない。
会社そのものが経営難である。

にもかかわらずSLを走らせるということは、一体どういうことなのだろうか。

そう思ってやってきたのであります。


まずは乗車の前にご挨拶。
JR北海道釧路支社の山田支社長さんです。

今日は釧路駅の2階のスペースを地元の鉄道ファンの交流会に開放して鉄道模型の運転会を行っていました。

なかなか積極的に地域と関わりを持とうという姿勢ですね。
コロナ禍でもいろいろ課題をクリアしてこういう取り組みをしているのを来て初めて知りました。

さて、SL列車に乗車。
達磨ストーブの車内。
支社長さんに見送られて釧路を出発するとすぐに・・・

釧路川のほとりにこれだけのファンがカメラを構えています。

列車の中はほぼ満席状態。

えっ? と思いました。

去年まではインバウンドの外国人や都会からの団体客がほとんどだったんですが、そういう人たちがいなくなったのに満席とは、なぜ?

よく見ると小さな子供を連れた家族連れがとても多いのです。

SL列車の終点の標茶で私を迎えてくれたのは昭和の美女軍団。
地元の婦人会の皆様方が、SLでいらしたお客様のために地元の産品を販売しています。

そしてもう一方。
標茶町の佐藤町長さんです。

折り返しまでの時間が約1時間半あるのですが、その間に町長さんと打ち合わせを兼ねてお昼ご飯。
向かったのは有名な喫茶店「ぽけっと」。

ドアを開けて驚いたんですが、ほぼ満席。
いただいたのはもちろんお目当ての「SLザンギカレー」

これはおいしい。
食べに来る価値があるのです。

そのカレーを食べながら佐藤町長さんがこう言われました。

「インバウンドや団体の方々はSLが着くとバスが待っていて、サーッといなくなります。でも、今年は個人のお客様が多いのでこうしてどこのお店も繁盛しています。」

私は不思議だったので、「いったいどこから皆さんいらしているのですか?」とたずねたところ、

「皆さん地元ですよ。例えば帯広あたりから『おおぞら』でやってきて、釧路からSLに乗って来る。日帰りもできますしね。」

つまり、北海道の人が北海道を観光しているとのこと。
そういう人たちが街を歩いて、食事をする。
それだけでも地域にとっては全然違う。
SLは本当にありがたいんですよ。

こういうお話でした。

JRがこんな厳しい時期にもSL列車の運転を決めたというのは、そういうことなのですね。

確かに列車の中は家族連れがたくさん。

そういえば、網棚に大きな荷物を載せているのは私ぐらいなもので、去年までのようなスーツケースを乗せている人は皆無。東釧路から乗って来る人もいて、確かに地元の人が乗っているということなのですね。

標茶町では商工会と連携してこのような無料タクシーを運転していて、加盟する飲食店をぐるっと回ってお客様をご案内する取り組みもSLの時刻に合わせてやっていますが、かなり利用率は高いとのことでした。

SLの乗車料金は片道2000円ほどですから、それだけでは手間暇かける割には大した売り上げではないと思います。でも、SLが走ることによって、乗る人や見に来る人が地域に落とすお金というのは、こういう時期だからこそ、地域にとってありがたいものなのだとあらためて感じました。

北海道の原野に3密はありませんしね。

ザンギカレーを食べた後は美女軍団のお店に立ち寄って、一生懸命頑張っている皆様方の手前、「仕方なしに」こういうものを購入。

美女軍団に見送られて、帰りの汽車の中で、甘党おじさんたちは「仕方なしに」食しました。(爆)

あぁ、おいしかった。

MYドーリンも見たし、行きも帰りもタンチョウがいたし。

なかなか大満足のSL列車でした。

やっぱりこういう時期は地元なのです。

DISCOVER JIMOTO!

トキ鉄の戦略も正しいのだと確信しました。