第2回目 D51お披露目見学会

今日は直江津構内の扇形庫で第2回目のD51お披露目見学会が実施されました。

先月11月28日に第1回目のお披露目見学会が実施されましたが、その時に、150名の募集のところ1200名近くの皆様からのご応募をいただきました。
ものすごい高倍率ですが、逆に言うと1000名以上の方が「ハズレ」てしまったのです。

これだけ高倍率なのはうれしいことですが、ハズレてしまった皆様方のお気持ちを考えると地域鉄道としては知らん顔をするわけにはいきません。

ということで、社内で検討しまして、本日第2回目のお披露目会を実施することになったのです。

今、新型コロナウイルス感染防止対策をしっかりしなければなりませんから、前回ご応募いただきましてハズレてしまった方々の中からトキめき鉄道沿線3市にお住まいの方に限定させていただき、本日約300名様に見学いただきました。
検温、消毒、マスク着用を徹底したうえで1回60名様ずつの入れ替え制で10時~14時の5回に分けて1回45分間の見学タイム。
なかなか厳しい制約の中でしたが、悪天候の中にもかかわらずいらしていただいた皆様方にはお楽しみいただけたご様子で、スタッフ一同大きな達成感を得ることができました。

休日にもかかわらず寒い中、1日がかりで協力していただきましたスタッフ各位に社長として感謝いたしております。

今どきのD51はこういうちびっ子たちに大人気で、5回入れ替え制でお客様に見学いただきましたが、各回ともたくさんの家族連れでにぎわいました。

前回もそうですが、私のように蒸気機関車に対して郷愁を感じるとか、昔よく乗ったなあという世代の方々は、今の時代完全に少数派になっているのを強く感じます。大井川鉄道のトーマスもそうですが、蒸気機関車というのは完全に新しい時代に入っているということが実感として見えてきました。
今回の2回の見学会を経て、地域に根付いたサービスというものを職員全員がそれぞれの頭の中で思い描くことができるようになってきたと思います。

やはり現場に立つと見えてくるものがたくさんあるのです。

もちろん鉄道ファンの皆様も大切なお客様ですよ。
銚子電鉄の物販コーナーでたくさんお買い上げいただきましてありがとうございました。

今日、あらためて感じたこと、いや、発見がありました。
それは、SLの汽笛の大きさを地域の人たちは知らないということ。

ボッ!

という短笛ですが、泣き出す子供もいました。

開場の案内放送で、「SLが動くときには大きな音で汽笛が鳴ります。耳をふさいでください。」としきりにアナウンスをしましたが、汽笛が鳴ると大人も子供もビクッ!
会場全体が震えます。

これが、例えばやまぐち号の沿線地域だとSLの汽笛が大きいのは子供たちは皆知っていますから、発車の時にはみんな耳をふさいでいます。
ところが、トキ鉄の沿線の子供たちはそういうことを知りませんから、多分強烈な思い出になったことと思います。

かくいう私も、子供のころ内房線の巌根に住んでいたことがあります。
昭和38~40年頃ですが、駅で発車を待っているときに、ボーッと汽笛が鳴る。
当時の巌根の駅は千葉方面から来て下車すると、改札口へ向かうためには線路を渡る必要がありましたから、降りた列車が発車するまでホームで待っていなければなりませんでした。
それも機関車のすぐ横で。

機関士さんが、「坊主、汽笛鳴らすぞ!」と言って一声かけてくれて、私は耳をふさいで列車が発車するのを見送った記憶がありますが、今日、汽笛の音を初めて聞いて驚いていた子供たちを見て、半世紀以上も前のそんな記憶がよみがえりました。

小さいときの記憶というのはいつまでも覚えているものですから、今日の子供たちも、D51の汽笛のことを大人になっても覚えていてくれるのではなかろうか。
そうやって鉄道というのは未来につなげていくものだと思います。
私たちの仕事というのは、ただ単に目的地へ行くために列車に乗ってもらって運賃をもらうということだけではないということを、きっとスタッフの皆も理解してくれたと思います。

鉄道は夢と希望を乗せて走るのです。

今日遊びに来てくれたちびっ子たちは、きっと今頃、「すごかったねえ。」「おもしろかったねえ。」と言いながら、今夜は良い夢を見てもらえるんじゃないかなあ。

そう思って、おじさんは今夜もグラスを傾けているのであります。

ご来場いただきました皆様、そして寒い中対応に当たってくれましたスタッフの皆様、ありがとうございました。