「やっぱ、ビール130円は高いと思いますよ。」
朝、会社へ行くと春田さんが私のところにやってきました。
昨日のブログの話です。
手には昔の時刻表の復刻版が。
1964年(昭和39年)9月号です。
わかりますか?
この時刻表の意味が。
新幹線が開業したのが昭和39年10月。
つまり、昭和39年9月号というのは新幹線が開業する直前の最後の時刻表なんです。
思わず見入ってしまいました。
何に見入ってしまったかというと、これです。
東海道本線の時刻表。
赤枠で囲ったのが「第一こだま」。
新幹線が開業するまで東京と大阪を結んでいたビジネス特急です。
列車番号1M
東京を7時ちょうどに出ると大阪に13:30に到着するという当時の最速列車です。
所要時間6時間半。
こちらは上り。
帰りの「第2こだま」は大阪を16:30に出て東京に23時ちょうどに戻って来るダイヤです。
この特急「こだま」は昭和33年に登場しましたが、この「こだま」の登場で、東京-大阪間のビジネス出張が日帰り可能になった画期的な列車です。
列車の中でも連絡が取れるように、初めて電話が付いたのも大きな話題でしたが、よく見ると電話のマークが時刻表についていますね。
東京を午前7時に出て大阪に3時間滞在して23時に東京に戻って来るというダイヤで、本当に皆さん大阪日帰りをしていたのかどうかはわかりませんが、昭和のモーレツサラリーマンはこういう電車によって誕生したのだと思います。
でも、本当に一番一生懸命働いていたのは「こだま」の電車ですね。
朝の7時から夜の11時まで、毎日片道550㎞、往復1100㎞の距離を往復していたのですから。
で、春田さんが「やっぱ130円は高いと思うよ。」と言ったのは昨日のブログでお話した朝ドラのビールの値段の話。
役者さんの後ろに書いてある値段表です。
ストーリーから考えると時代背景は昭和35年前後でしょう。
その時代のラーメン屋さんのビールの値段が130円は高いというのが私と春田さんの共通の意見。
昭和39年9月号の時刻表の食堂車のメニューを見ると、
ビールは155円でした。
当時、食堂車というのはかなり割高なものでしたが、春田さんの感覚だと市中よりも5割ほどが高かったようですから、昭和38年だとビールの値段は110円か120円程度だったでしょう。
だとすると、昭和35年はいくらなのか。
まぁ、恐らく80円か100円ぐらいだったのではないでしょうか。
というのも、この時代の物価上昇はかなり激しくて、物価がどんどん上がっていくのが常識でしたから、3年もすればビールの値段も20~30円ぐらいは上がっていたからで、その証拠に翌月の昭和39年10月号を見ると・・・
ビールが160円になっています。
東海道新幹線が開業して東京オリンピックが始まる時期でしたから、経済もどんどん発展していたことはわかりますが、こうしてモノの値段がどんどん上がっていったのですから、20年近く物価が大きく上がらない今の時代とは全く環境が違っていたのです。
そして、ウイスキーもそうですが、ビールそのものが高級品だったということもあるのです。
そんなにお酒をガブガブ飲んでいた時代ではなかったのです。
と、まぁ、昔の時刻表を見ただけでこんなことに思いを馳せることができるのは、頭の中が幸せな証拠ですね。
その私が、皆様方に幸せをお届けするのがこちら▼
トキ鉄チャンネル「Tokiネットたかだ」
D51827号機のご紹介です。
どうぞご覧ください。
最近のコメント