トキめき鉄道社員の皆さんへ

今日は妙高高原から糸魚川までの有人駅の各駅を回りました。

社員の皆様方はしっかりと勤務していただいておりまして安心いたしました。

新型コロナウイルスの蔓延で世の中が日々刻々と変化しています。
東京が封鎖されるかどうかの瀬戸際であるというようなニュースが毎日のように流れてきていると、だんだん不安になりますね。
将来のことは誰もわかりませんから、世界全体の人たちが今、不安を抱えて過ごしているのだと思います。
そして、それはもっともなことでもあります。

ただ、私たちの仕事はお客様に安全安心、そして正確な輸送を提供するということです。
そういう使命がある私たちが不安を抱えていては、お客様に安心していただくことはできません。

では、どうしたらよいでしょうか。

私は自分たちができることを日々きちんとやっていくことだと思います。

例えば折り返し駅での列車内の消毒液散布です。
私たちは医療従事者ではありませんから、消毒液を散布することが果たして本当に医学的効果があるかどうかはわかりません。でも、職員が列車の消毒をきちんとやっているという姿をお客様が見れば、「ああ、トキ鉄はきちんとやっているな。」という安心感を持っていただけると思います。
列車が安全に運行するということは大事なことですが、その安全運行のベースに立って、安心してご利用いただけるということも私たちがやらなければならないサービスです。

こうして、自分たちが正しいと思うことを、自分たちができることを、きちんとやっていくことでお客様の不安が少しでも解消すれば、実施する価値があると思いますし、それが私たちがやるべき仕事です。

雪月花が本日も運行されました。

素晴らしい列車です。

たくさんキャンセルが出ているとはいえ、こういう時期でもご乗車いただけるお客様は少なくありません。
本当にありがたいことです。

雪月花はトキ鉄のシンボルでありますが、地域のシンボルでもあり、新潟のシンボルでもあります。
たくさんキャンセルが出ているとはいえ、それでもご乗車いただけるお客様がいらっしゃる限り、採算分岐点を下回ることになっても雪月花をきちんと運行するようにと指示を出しています。
なぜならば、それがシンボルの使命だからです。

沿線住民の皆様方が走っている雪月花をご覧になって、「あっ、今日もちゃんと走っているな。」と思っていただくことで、私たちは地域の皆様方に安心していただくことができる。
全世界の人たちが不安になっている今の時期ですから、地域の皆様方にそういう形で安心をお届けするのも私たちの仕事であるはずです。

会社の内部事情の話をします。

ここ数日、経理の責任者と綿密な打ち合わせをしています。
細かな数字は出しませんが、コロナショックが1年間続き、地域需要が50%減少し、観光需要が8割減少したとしても、トキ鉄は数年間は会社がつぶれることはありません。
大きな借入をしなくても資金的には問題ないということです。

そういう点でも安心していただいて構いません。

私たち地域鉄道は安全安心、正確な輸送を提供することが大きな使命です。
でも、今の世の中、それだけでは存在価値がないのも事実です。
ではどうするか。
安全安心、正確な輸送というベースに立って、その上でプラスアルファーの付加価値を輸送に付けていくことが大事な仕事です。

そして、単なる輸送にその付加価値を付けるのが社員一人一人の皆様方の仕事であります。

全世界の人間が不安を抱えている今だからこそ、社員の皆様はいつも通りに、安全、安心、正確な仕事をしていただくとともに、お客様に笑顔になっていただけるような、そういうプラスアルファーの仕事をしていただきたいと思います。

そして、それがプロフェッショナルというものではないでしょうか。

とはいえ、まずは社員の皆さんが健康でなければいい仕事はできません。

こういう時期ですから無理をせず自分をしっかりコントロールして体調管理に心掛けてください。
そして、万が一具合が悪くなるようなことになったら、自分の体が第一ですから、会社のことは気にせずにゆっくりと休養を取ってください。
会社として職員が罹患した場合の対応策もきちんと考えていますから心配は無用です。

皆さんに安心して仕事をしていただくために、あらゆる方策を準備するのが私たち経営陣の役目ですから。

お客様に笑顔をお届けするために、明日からも引き続きよろしくお願いいたします。