さようなら辰兄ぃ!

梅宮辰夫さんがお亡くなりになられました。

今、NHKのニュースを見ていたら生前の梅宮さんの動画でいすみ鉄道を舞台にしたドラマ「菜の花ラインに乗り換えて」に出演していた時の梅宮さんが写っていました。

この時ですね。

2013年4月24日、ドラマの撮影の記者会見です。

もう6年も前のことなんですね。

NHK千葉放送局が制作した千葉発ドラマで、いすみ鉄道で鉄道の運転士になるという内容のドラマ。訓練費用自己負担で鉄道の運転士になるという実話をもとにしたドラマでした。

梅宮さんはとても気さくな方で、撮影現場のムードメーカー。
撮影チームのカメラさんや音声さんなど、皆に気を使って撮影現場を盛り上げていたことを思い出します。

梅宮さんほどの大役者ですから、ふつうに考えたらスタッフが一生懸命ご機嫌をとったりすると思われるかもしれませんが、実際には全く別でした。

クランクアップの時には吹石一恵さんに花束を贈り、いすみ鉄道のスタッフに対しても、御自慢の漬物を「お世話になりました。皆さんで召し上がってください。」とたくさんいただきました。

強面のやくざの親分さんのイメージとは全く違う、やさしいおじさんでした。

2013年4月25日のブログ
▲撮影が行われていた時の私のブログです。

この当時、大多喜町では何とか大河ドラマを誘致しようという運動をやっていました。
大河ドラマは無理でも、こういうドラマなら誘致できると私は考えまして、NHKと交渉して実行しました。
ところが、この時ドラマの撮影にいらしていただいた撮影チームは、実は大河ドラマを撮影するチームの皆様方であったのです。

そこで私は監督さんに、「何とか大河ドラマで本多忠勝を取り上げてください。」とお願いしました。
主役は無理かもしれないけれど、脇役でもチョイ役でも良いので、出してくださいと、撮影の合間を見ては雑談を交えてそんなお願いをしました。

今から2年ほど前、その監督さんがひょっこりと大多喜駅を訪ねて来ました。
そして、私の顔を見るなり、
「社長さん、私約束守りましたよ!」と大きな声で言うのです。

突然だったので、何のことかと思っていたら、
「本多忠勝、出したでしょ? 本当はあんなにたくさん出る予定じゃなかったんだけど、一杯シーンを作りましたよ。」
「ああ、眞田丸ですね。ありがとうございます。」

監督さんは約束を守って、予定よりも多く本多忠勝を出してくれたのです。
それも、主役を食うような強烈なイメージで。

それは、この時の「菜の花ラインに乗り換えて」というドラマで、「監督さん、どんなシーンが撮りたいのですか?」と要望をたくさん聞き入れていすみ鉄道が全面協力し、とても良い作品に仕上がったことが大きく貢献したのでした。

地元の人たちはこんな裏話は誰も知りませんが、いすみ鉄道はこうして影ながら地元に貢献したのであります。

そのドラマの撮影時には、会社の中を普通に辰兄ぃが歩き回っていたことを思い出します。

実力派で、大御所でありながら、周囲に気を遣うとても素敵な俳優さんでした。

また、昭和が一つ終わりましたね。

ご冥福をお祈り申し上げます。