音威子府の蕎麦

今日は1日かけて旭川から稚内までの宗谷本線に乗りました。

 

 

札幌と稚内を約5時間かけて走る特急「宗谷」です。

 

 

4両編成で車内は7割程度の乗車。窓側がすべて埋まっていて、通路側にところどころ座っている感じです。

当然のように車内販売はなし。

もちろん途中駅でも買えません。

 

乗客は日本人の商務客、観光のグループ、外人観光客で外人はファミリーのように数人のグループが多く、添乗員付きの団体ではありません。いわゆるFITという個人客です。

 

旭川を出ると貨物の基地を通過。

ここ、昨日、空の上から見たところです。▼

 

約2時間の乗車で音威子府(おといねっぷ)に到着。

途中下車しました。

 

音威子府を発車する特急「宗谷」。

降りてしまうと大変なことになるんです。

 

その理由がこれ。

10時41分の次が15時22分。

5時間近くも列車がないからです。

 

ではなぜそういう冒険をしてまでここで途中下車をしたかというと、

 

それがこれ。

本日のタイトル「音威子府の蕎麦」であります。

お品書きはこれだけ。

かけそば 370円

天ぷらそば 470円

月見そば 420円

天玉そば 520円

 

つまり、かけそばに天ぷら100円、たまご50円をトッピングするかどうかだけ。

大盛りもなければ、いなりやおにぎり、お酒類も無し。

 

そして、これが天ぷらそば 470円なり。

真っ黒い蕎麦に真っ黒い出汁。

まあ、都会のデフレ産業に慣れすぎている身としては、これで470円と思わなくもありませんが、まあ百聞は一見にしかず。

食べてみると、実においしいのであります。

 

私も久しぶりにいただきましたが、昔から変わらぬお味で、なんだか懐かしい。

 

なにしろ汽車が5時間も来ないというのに、駅構内の蕎麦屋さんにはひっきりなしにお客さんがやってきています。

 

食べ終わった後のどんぶりはカウンターの下に置くスタイルなんですが、見てください。

皆さん汁まで全部飲んでるんですから、お味のほどがわかるというもの。

 

いったいどれぐらい売れるのだろうかと、私なぞはついつい商売人のいやらしい目線で見てしまうわけです。

だからね、こういうところを見ちゃうんですよ。

割りばしの数イコール売上ですからね。

 

営業時間は10:30~15:00まで。

でも、15時前には「本日は売り切れました」と表示が出て店じまいされていました。

 

う~ん。恐るべし音威子府蕎麦。

 

ただ、ご主人と奥様で切り盛りされているのですが、高齢化でだんだん無理できなくなって来ていらっしゃるようですから、私も今回思い切って途中下車してみたのです。

ほとんどのお客様が車で立ち寄られているのですが、やっぱり列車できてこそのお味ですからね。

 

なんだかんだで5時間近く時間をつぶして、15:22発の特急「サロベツ」に乗車。

 

 

すでに陽は西に傾き始めていましたので、これまた汽車旅ならではのアイテム登場。

 

天塩川の流れを見ながら「プハ~ッ」でございます。

 

そして最後は、夕日に輝く利尻富士を見ながら、最北の駅、稚内に到着となりました。

 

 

10数年ぶりに来ましたが、ずいぶんきれいな駅になっていてびっくりしました。

 

こちらが正真正銘の日本最北端の線路。

 

黄色い車止めが、「orz」に見えたのは私だけでしょうか。