また一つ、昭和が消えて行く。

私のふるさと、板橋の商店街の話です。

 

ここは昭和の商店街の雰囲気をよく残している町なんですが、でも、よく見ると、その昭和の雰囲気が少しずつ消えて行っています。

 

今日、また一つ、その昭和が消えて行きました。

 

 

 

 

ここは旧中山道の商店街で、お不動様の門前市として、私の子供の頃は、1・15・28日に縁日がありました。

夕方になるとタコ焼き、お好み焼き、カルメ焼き、あんず飴、金魚すくいなどなどたくさんの出店が出て、子供たちが小銭を握りしめながらやってきて、大賑わいでした。そんな私のふるさとですが、都電が走っていた通称電車通りに高速道路ができて、商店街の古い街並みが区画整理され、タワーマンションが立ち並び、相変わらず賑やかなんですが、それでも各家々にお風呂があるのが当たり前の時代だし、ライフスタイルの変化もあって、お風呂屋さんへ行く人は減っているのでしょうね。そして経営者の高齢化。ついに廃業となりました。

こういう昔ながらの銭湯って、何とか残せないものかと考えるのですが、たぶん、しばらくしてから、「ああ、とっておけばよかったなあ。」と思い出すのでしょう。

 

ちなみに私の頃は、銭湯へ行くというと夜間外出が許されましたから、夜の8時ぐらいに風呂桶を持って銭湯へ行くふりをして、友達の家へ行き、とりあえず銭湯へ出向いて、風呂桶を下駄箱に押し込んで、池袋が近かったのでそのまま遊びに行くのです。そして11時ごろまで夜遊びして、急いで銭湯に戻って下駄箱から風呂桶を取り出し、ササッと一風呂浴びて12時ちょっと前に家に帰るという芸当を高校卒業ぐらいまでやっておりました。

良い子の皆さんは真似してはダメですよ。

こういうおじさんになりますから。

 

その私の思い出が、また一つ、消えて行く。

昭和がどんどん遠くなっていくのです。

 

でもね、本当のことを言うと、別にさみしくはないんです。

自分の汚点がきれいさっぱり消えて行くようで、ある意味すっきりとする不思議な気分なのです。

 

花の湯のおじさん、おばさん。

長い間お疲れ様でした。

ありがとうございました。