選挙と宗教

いすみ鉄道のようなローカル線は、鉄道会社といっても零細企業です。
こういう小さな会社は、社長が何を考え、どういうポリシ―や方向性で進んでいるのかを皆さまに直接お伝えし、ご理解いただくことが大切だと考えています。

 

これは、このブログの巻頭に書いてある文言です。

観光でいらっしゃるお客様は、いすみ鉄道が好きだからいらっしゃるわけです。

いすみ鉄道のことが嫌いだったり、興味がなければ来なければよいわけです。

これが観光というものです。

京都の古い町並みが好きな人が京都へ行くわけで、南の島のビーチでゆっくりくつろぎたい人がハワイへ行くのです。

古い町並みに興味のない人や、ビーチに行っても時間が無駄だと考えている人は京都やハワイには行きません。

観光鉄道としてのいすみ鉄道は、皆様方にとって観光の目的地ですから、興味がある人だけが来ればよいと私は考えています。

古いディーゼルカーを走らせていますが、その良さが分かる人が乗りに来るところであって、「そんなオンボロ、誰が乗るか。」という人は来なければよいわけです。

つまり、「あなたはいすみ鉄道のお客様にはなれませんね。」ということです。

こういうことを判断していただくための材料として、いすみ鉄道の社長が何を考え、どういうポリシーでビジネス展開しているかをお知らせすることがこのブログの目的でありますから、「お前の考えは間違っている。」という人は読まなければよいし来なければよいだけのことであって、私はその人の考えに迎合して、その人の考えに沿ったビジネス展開をするつもりはありませんから、そういう人はご自分の考えにあったローカル鉄道やほかの観光地へ行けばよいだけの話です。

観光戦略というのはそういうものであり、それが観光というファンビジネスの基本だからです。

 

「お前のようなやり方では10人中9人はいすみ鉄道のお客にならないぞ。」という人もよくいらっしゃいますが、いすみ鉄道は、10人中9人の人に来てもらおうということは最初から考えていなくて、残りの10人中1人が、「いすみ鉄道っていいなあ。」とか、「あの社長、言ってること面白いなあ。」と思っていただくだけで、首都圏3500万人いるといわれている人たちのうちの350万人が「いいね」と思ってくれているわけですから、いすみ鉄道はそれだけで十分にやっていくことができるからです。

 

これが、「ここには何もない、があります。」といういすみ鉄道のキャッチコピーの原点なんです。

 

そして、そういうやり方で7年間やってきて、本当ならば平成22年に廃止されるはずだった鉄道が今でも走っているからで、この私の考え方に共感していただいていすみ鉄道にいらしていただく10人中1人のお客様のおかげで、いすみ鉄道沿線住民の皆様方の足が今日も維持されているということになりますから、私は「鉄道を廃止にしないで存続させる。」という公募社長としての役割は、おそらく周囲の期待以上に果たしてきていると考えています。あとはこういう社長を好きか嫌いかだけの問題なんですね。

だから、10人中9人が私のことを嫌いであっても、残りの1人が「ああいう人間は面白いなあ。」とか思っていただければ、1億2000万人の日本人のうち、1200万人がそう思ってくれるわけですから、私自身のマーケットとしても十分なのであります。

 

こういうことを書くとショートテンパーなおじいさんたちは「お前は公人なんだから発言を慎め。」と言い出すかもしれませんが、お断りしておきますが私は公人ではありません。株式会社の社長は公人ではありませんし、公的サービスを提供する会社の経営者も公人ではありません。補助金を投入している会社の社長だからと言って公人だというのであれば、JRだって大手私鉄だってみんな補助金が入っていますから、公人ということになってしまいますよ。そういう人はもう一度辞書を引いて公人という言葉の意味を調べなおしてくださいと言うことにしています。

 

さて、そんな私ですが、このブログで決して触れないことがあります。

それが本日の表題です。

そりゃあ、私にだって支持政党はありますし、支持する議員さんもいます。

特定の宗教には入っておりませんが、信仰心はありますし、世の中には真理があるということぐらいは理解しています。

2~3人で飲んだりしたときはそういう話をすることもありますが、インターネットで自分の考えを好き勝手に綴っている私でも、本日のブログの表題については触れないようにしているのであります。

なぜなら、この国ではこれは一つのタブーだからであり、今までの日本の世の中では、市井の人たちが、口角泡を飛ばして選挙や宗教の話をするということは、あまり見られなかったからであり、私が育った環境の中でも、選挙で誰に投票したなどということは、たとえ夫婦であっても話さないのが当たり前であり、今でもそうしているからです。

(これからの若い人たちは多分変わっていくと思いますし、そうしていただきたいと思います。)

 

もっとも、私が選挙のことを話題にしたりすると、周囲への影響力が強すぎる場合もあるかもしれませんから、そういう点では別の意味で「公人」という人もいるかもしれません。

そして、そのように私のことを公人と思っている人へ、お間違いのないように一言だけ申し上げておくとすれば、「私は選挙に出ません。立候補しません。」ということです。

今となっては相当昔のことになりますが、私の前任者の顛末をご存知の方ならピンとくるかもしれません。

何かあると今でも、「いつ立候補するんですか?」とすり寄ってくる人もいますので、はっきりと申し上げておきますが、「私は選挙には出ません。どんな選挙にも出ません。」ということを、今回、ここで、今一度申し上げておきたいと思います。

政治なんてそんなに軽く考えていいものではありませんからね。

 

と、ここまで約15分で一気に書き上げました。

 

私にとって、今、最大の関心事は、いすみ鉄道のこの夏休みの集客プラン。

今日も遅くまで残って営業さんが頑張ってくれていますので、明後日にはいくつか発表したいと思いますが、とりあえず、満席だった7月、8月のレストラン列車の増席を行いました。

 

ただいまでしたら、空席がございます。

 

ご希望のお客様は こちら(JTBサイト) にてお申し込みください。

 

夏休みにはこの他、親子で楽しめる体験イベントや、キハの臨時運転、ヘッドマークイベント、缶詰バーの開催など、続々と企画中です。

 

今年は諸事情で夏休みのイベント企画のスタートが遅れておりますが、今年もいすみ鉄道で「夏休み」をぜひお過ごしください。

 

ということで、選挙戦を戦われました先生方、皆様方、お疲れ様でございました。

私が唯一政治の話をするときは、いすみ鉄道のようなローカル線に国がもっと真剣に取り組むようになった時ですね。

地方創生のこれほど良い事例は他にはないというのに、予算を削ってきていますから、国はまだまだ冷たいですよ。ローカル鉄道に対して。

 

もっと優しくして~!