台湾のいすみ鉄道

ただ今帰宅いたしました。
今回は昨年11月に大多喜町の手作り甲冑会の有志の方々が、いすみ鉄道と台湾国鉄集集線との姉妹鉄道締結一周年を記念して台湾に贈呈した手作り甲冑が、台北駅構内に展示されているというお話を聞いていましたので、実際にこの目で確かめて、大多喜町の甲冑会の皆様方にご報告する目的でお邪魔いたしました。
とは言え、4日間ほとんど列車に乗りっぱなしだったわけですが、こちらが台北駅構内に展示されているその甲冑でございます。



台湾と日本の姉妹鉄道締結などの交流の歴史が構内の壁に大きく表示されていて、各鉄道会社のご紹介をしていただいているその一角に、大多喜町の手作り甲冑が、とてもすてきな状態で展示されています。
いすみ鉄道が姉妹鉄道締結した2014年10月以降、西武鉄道、京浜急行、東武鉄道、JR東日本、JR西日本などの大手会社が次々と友好関係を結んでいて、大手はきちんと予算を取って展示物などを準備していますから、それに比べるといすみ鉄道や由利高原鉄道がかすんでしまいそうですが、いすみ鉄道や由利高原鉄道の展示物(平渓線が発着する瑞芳駅)は地域の皆様からご提供いただいたものですので、そういう点で地域鉄道らしさを表していますから、私はとても満足しているのです。
私は台湾の鉄道に乗るときは運転士さんや車掌(車長)さんとお話をする機会が多く、今回も10人以上の乗務員さんとお話をさせていただきましたが、「いすみ鉄道です」というと、皆さん、「一度行ってみたいと思ってるんです。」とおっしゃっていただきますので、そこまで知名度が上がっているのは不思議だなあと思っていました。
そうしたら、特急列車の座席のポケットにある台湾国鉄の雑誌にいすみ鉄道が大きく紹介されているんですね。

これが台湾国鉄が発行している車内誌「靚道」
中をのぞくと、目次からいすみ鉄道が登場しています。



どうです?
ありがたいことですね。
いすみ市特産の伊勢海老などの魚介類を使った列車。そして台湾人が大好きなお城がそびえ立つ大多喜町が2ページにわたってたっぷり紹介されております。
もちろん広告ではありませんから、費用は発生しておりません。
千葉県の観光課だってできませんよ。
そういうことを地域鉄道が窓口になると立派にできるということなのです。
これが、地域への貢献度だと私は考えます。
田舎の町の居酒屋さんや、都会の中の小さな公園が、突然外人観光客の観光名所になる時代ですから、地域鉄道を上手に使えば、いくらでもやりようがあるということなのです。
これが私がいすみ鉄道で具現化してきたことです。
地域の足としてはもちろん重要だけど、その地域の足を守るためには、こういう方法がありますよ。
そして、こういう方法をうまく使えば、地方創生の時代に、田舎の町だって生き残ることは十分に可能性がありますよ。
これが私がお示ししてきたことです。
皆様方も十分にご理解いただけるのではないでしょうか。
そして、実際に地域を活性化させるのは私の仕事ではありません。
それは地域の皆様方のお仕事なのです。
そのことは、もう、じゅうぶん伝わりましたよね。
2009年に私が社長に就任した時には、いすみ鉄道沿線に観光客などほとんどいませんでした。
それが今では立派な観光地になりました。
それと同じように、もうしばらくすると、いすみ鉄道沿線に外国人観光客が歩く姿が当たり前のようにみられるようになります。
その時に、そういう観光客の皆様方を、どうやって自分のビジネスに取り込むか、そして経済を循環させていくかということが問われているわけですが、それは私の仕事ではありません。
地域の皆様方のお仕事なのですから、そこのところははっきりと申し上げておきたいと考えております。