埼玉県議連にお招きいただきました。

台湾出張が入ってしまいましたのでご報告が遅れましたが、8月1日に埼玉県議連のお招きで秩父市へ行ってまいりました。
私は、ローカル線の正しい活用方法に少しでも早く気付いて、日本が、ローカル線が走っている田舎から元気になって、地域の人たちが「ローカル線を廃止にしなくてよかったなあ。」と思っていただけることが、日本の明るい将来のために今自分ができることだと信じておりますから、お呼びがかかればどこへでも馳せ参じます。
ということで、8月1日に埼玉県議連の皆様方から呼ばれまして、秩父市で講演をさせていただきました。
私は物事をできるだけシンプルに考えるお気楽人間ですから、「秩父かあ、C58だな。」程度の軽い気持ちで出かけたのですが、着いたらとんでもないことになっていました。


何がとんでもないかというと、埼玉県議連の議員の先生方はもちろんですが、秩父市を中心とした各町村の首長(市長、町長、村長)さん、地元の議員さん、商工会の皆様をはじめとする秩父地域のリーダーの方々総勢200名以上の偉い人たちが、真剣な顔をして集まってきているではありませんか。
もちろん、私は誰が誰だかわかりませんから、難しいお顔でこちらを見ている「偉い人たち」を一発笑わせてやろう的な感じで1時間半の講演を務めさせていただいたのですが、あとでわかったことですが、私の講演を聞いてくれていた人の中には、西武鉄道の社長さん、秩父鉄道の社長さん、国会議員の先生方など、とにかくえらい方々がたくさんいらしていただいていたのには驚きました。
なぜ私を呼んでくれたのかとお聞きしたところ、日本全国のリーダーの皆様方が、難しい顔をして一生懸命40年も議論してきて、結局どうすることもできずに次々に廃止してきたローカル線を、お気楽な社長が軽いノリで再生させてしまったということに大変ご興味がおありだということで、これが講演のタイトルである「発想の転換」ということらしいです。

[:up:] 講演会場の様子を講師席からパチリ。
軽い気持ちで写した1枚ですが、この中に西武鉄道の社長さん、秩父鉄道の社長さん、国会議員の先生方などなど、たくさんの方々がいらっしゃいました。

[:up:] 講演の後の親睦会です。
ごあいさつされているのは、参議院議員で、総務副大臣を務めていらっしゃる関口昌一先生です。他にも今野智博代議士、古川俊治代議士など、埼玉県を代表する国会議員の方々もいらっしゃってました。

[:up:] 秩父鉄道の大谷社長さん(左)と、西武鉄道の若林社長さんです。
いすみ鉄道とは比べ物にならない大きな鉄道会社ですが、いすみ鉄道に原点を見出していただいたようです。
せっかくのチャンスでしたので、私は西武鉄道の若林社長さんに、「いすみ鉄道を買い取っていただけませんか?」と提案させていただきました。
地方鉄道として利益を出していくことは難しい状況ですが、「いすみ鉄道」という会社の「価値」は5年前と今とでは比べ物にならないほど上がっています。西武鉄道さんでしたら、きっと「上手に」活用していただけるのではないかと考えています。

[:up:] 地元秩父市の久喜市長さんです。
なぜかローアングルで縦の構図の1枚。
こう見ると兄弟みたいですね、と、言われる前に言っておきます。(笑)

[:up:] 埼玉県企画財政部地域政策局長の中原健一さん。
総務省ご出身で千葉県にもご縁が深い方です。
「千葉県はどうですか?」と質問されましたので、「千葉県からはお呼びがかかりません。」と申し上げると、「そうでしょうねえ。自分たちではどうにも仕様がないと思っていたローカル線がここまで立派になったんだからねえ。」と。
深~い読みですね。
そう、今回は埼玉県でしたが、九州や山口県、静岡県からもお声をかけていただいているのに、千葉県からはかからないんですから。
事実というのはそういうものなんです。
別に千葉県の偉い方々を批判しているわけではございませんよ。
私は事実を申し上げているのです。
このように、いすみ鉄道は全国的に高い評価を受けているというのに、千葉県内での評価はとても低いんです。
その証拠に、今、この瞬間でも、「どうしてよいかわからない。」「やっぱり維持するのは困難だよね。」という意見が、高いところでは交わされているんです。
私は、そういう人たちの監督下で社長をさせてもらっているわけですから、そういう人たちには従わなければならない立場にあります。
5年間社長をさせていただいて、これだけ会社の価値を上げたのに、今でも廃止論がささやかれているんですよ。これも事実です。
だから、最終的にはいすみ鉄道が廃止になるとしても、地域鉄道として、それは受け入れるしかないと覚悟は決めていますが、一つだけ心配なのは、県や沿線市町の代表の人たちが、将来にわたって「笑いものになるのではないか。」ということなんですね。
そのうち、上で意思決定している立場の人たちを全員ご紹介させていただく機会もあるとは思いますが、一つだけ事実として申し上げることは、千葉県は呼んでくれませんし、国交省じゃなくて総務省が日本全体の将来を考えた時に、ローカル線は必要だと言っているということなんです。
まあ、いいか。
いつもブログを読んでくれている皆さんから、「最近、社長は吠えませんね。」と言われていますが、忙しくて吠えている暇がないのも事実。
でも、今でも「上」に対しては怒っていて、「ふざけるな」と思っていますので、暇を見て、世の中の構造の話をさせていただきたいと思いますのでご期待ください。
さて、話を最初に戻して、私は実にお気楽な気分で秩父へ行ったわけですが、今回、講演のお仕事のお話をいただいて一番最初にひらめいたのはC58のこと。
大多喜から3時間半かけて熊谷のホテルに前泊して、翌朝、三峰口までC58の引く列車に乗りました。

[:up:] 熊谷駅に停車中のC58「パレオエクスプレス」。

[:up:] 煙の臭いは良いですよね。

[:up:] 私のふるさとの電車。旧都営6000系がSLとすれ違います。私にとっては夢の共演です。

[:up:] 秩父を出て山間部に入るとSLらしくなってきます。

[:up:] 久しぶりに見る武甲山です。
東京の城北地区出身の私にとって、秩父はとても思い出深いところ。中学校の遠足で武甲山を見た時に先生から、「この山はセメントを採っているから、そのうち消えてなくなるんだ。」と言われたことをはっきりと覚えています。
40数年ぶりに武甲山を見て、「ああ、まだ山があった。」と安心しました。
全国的に見ると、山が消えてしまったところも数多くあるんですから。
さて、今回お話としてお聞きしたのは、秩父鉄道は秩父から先の区間の乗車が悪く、会社としてももてあましているようです。
「そりゃそうだよね。」と三峰口まで一往復してみて、私はすぐに気が付きました。
何に気が付いたかって?
秩父鉄道の一番奥の区間を活性化するということは、実に簡単だということです。
私は評論家ではありませんから、方法論に関してはここでは申し上げませんが、なぜ簡単かというと、秩父鉄道沿線の皆様方は、県をはじめとして、しっかりした支援体制が出来上がっているからなんですね。
秩父でSLが走っているということは、そういうことなんです。
埼玉県秩父振興センターの皆様方、どうもありがとうございました。
お呼びいただければ、秩父鉄道の活性化でも、西武鉄道の職員の意識改革でも、何でもお手伝いさせていただきます。
千葉県以外で活躍の場を与えてくれるところを現在模索中ですので。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。