日本一かわいい電車


多分、今日本で走っている電車の中で一番かわいい電車がコレ。
熊本電鉄の5000系です。
この電車は、覚えていらっしゃる方もいると思いますが、元東急の5000系で、「青ガエル」とうい愛称で親しまれ、東横線の急行電車などにも活躍した経歴の持ち主です。
今、渋谷の駅前に飾ってある車両ですから、知っている人も多いでしょうが、この電車が今でも走っているのですから驚きです。
この電車が生まれたのは今から56年前の昭和32年。
まだまだ蒸気機関車が急行列車や特急列車を引いていた時代ですから、当時としてはとても洗練された素晴らしいデザインだったと思います。
でも、この電車は今でも日本で一番かわいい電車といわれるほどですから、半世紀以上の時を経て、そのデザインが現在でも受け入れられるって、とても素晴らしいことだと思います。
そして、この電車を今でも走らせてくれている熊本電鉄の社長さんがこの方。
中島敬高社長さんです。

実は、中島社長さんは、私の2冊目の本「ローカル線で日本を元気にする方法」をお読みいただき、いすみ鉄道のやり方をご理解いただいている方で、熊本電鉄でも何とか、「今あるものを活かしたい。」と、お話しさせていただきました。
写真は昨日、熊本電鉄の本社の建物へお邪魔した時ですが、本社社屋は元九州運輸局の庁舎を移築したもので、社長室は昔の局長室というお話でした。
何でも新しくしてしまう時代に、古いものを大切に使っている姿にはとても勉強させられます。
ちなみに熊本電鉄は大正年間の開業で今年で104年。
戦前には電化されていましたので、国鉄が蒸気機関車だった時代から電車や電気機関車を走らせていたのですから、今考えて見てもすごいですね。
ところで、この元東急の5000系ですが、相当なお年ですからメンテナンスではご苦労が多いそうで、何とか代替え車両を導入したいとおっしゃられていましたが、「絶対に廃車にしてはダメですよ。お願いします。」と伝えてきました。
これは、文化財であることはもちろんですが、熊本電鉄さんにとってみれば宝物ですから、まだまだたくさんお金が落ちているということです。
熊本電鉄の皆さん、一緒にがんばりましょう。

[:up:] 戦前の電車 モハ71と並ぶ5000系。なんともかわいい顔です。

[:up:] こちらは反対側。東急時代は連結面でしたから熊本電鉄へ来てから運転台改造したのですが、こうしてみると、この顔もなんとも情けなくて、可愛いもんですね。

[:up:] 車内は昔のまま。つり革にも「東横のれん街」などと書かれています。

[:up:] よく見ると、車体の下の部分が大きく内側へ湾曲しています。こういうデザイン、今なら絶対にやらないでしょうね。製造に手間がかかるし、ホームとの隙間も大きくなりますから。
でも、こういうところに日本のモノづくりの歴史が残されているのです。
皆様も、ぜひ一度、熊本電鉄に乗りに行ってください。
用はないでしょうけれど、わざわざ行くだけの価値はありますよ。
熊本電鉄のホームページはこちらです。