新型車両のご案内

2012年新春のビッグイベントはいすみ鉄道への新型車両の導入です。
この新型車両は「いすみ300型」。NDCと呼ばれるローカル線向けの軽快気動車です。
基本的な車体の設計は樽見鉄道、わたらせ渓谷鉄道、錦川鉄道と同じですが、いすみ鉄道では窓が開くタイプ(下段上昇式)として、向かい合わせのボックス型座席に紺のモケットを張り、キハ52同様、昭和の雰囲気をお楽しみいただける内装にしました。
また、ビール列車をはじめとするイベントや、観光鉄道としての利便性から、トイレは最低限のサービス設備と認識し、車端部にバリアフリー対応のトイレを設置しました。
昨今のローカル線では、高校生のマナーが悪く、喫煙等の不良行為の温床となるという理由で、トイレを撤去するところが増えていますが、いすみ鉄道沿線では高校生のマナーが良く、そのような心配がないことから、お客様に便利に快適に利用していただきたいと考えています。

[:up:] 菜の花の色の黄色い車体に山の緑、海の青を表現したラインは現行と同じ。基本はやたらに変えないのです。

[:up:] 車内は紺のモケットに下段上昇式に開く窓。なつかしい昭和の雰囲気です。
いすみ鉄道は昭和63年の開業以来、いすみ200型(開業当時はいすみ100型)を使用してまいりました。
このいすみ200型はレールバスと呼ばれるバスのボディーを流用した簡易構造の車両で、当時、国鉄から第3セクターとなった地方のローカル線の多くがこのタイプの車両を採用しました。
バスの車体構造を採用した車両ですから、耐用年数も10年から15年程度として設計されました。当時の国鉄型車両が30年、40年持つと言われていて、昭和32年に登場した101系電車が3セク開業当時まだ首都圏でもたくさん走っていた時代に、耐用年数が15年程度という車両が出てきたとこは、当時の第3セクター鉄道が、どのような目で見られていたのかがよく理解できると思います。
そして25年。いすみ鉄道は、今では数少なくなったレールバスを大事に大事に使用する会社となっていますが、2年前に存続が決定した時から、レールバスの老朽化に伴う車両の置き換え計画をスタートさせ、今回の新型車両の導入にこぎつけることになりました。
【今後の車両増備について】
このいすみ300型(ボックスシート・トイレ付)を今年の2月末に2両導入します。
試運転等がありますので、デビューは3月末ごろになる予定です。
今後、3年間にわたり、1両ずつ増備する予定です。
来年度はいすみ350型(ロングシート・トイレなし)を1両。
トータルでいすみ300型を3両、いすみ350型を2両の合計5両体制になります。
現行のいすみ200型6両を5両にするわけですが、15m車体から18m車体になるため、朝夕の通学列車(現行15m2両編成)を1両に置き換えることで、車両の運用を見直し、減車できる計画です。
ただし、いすみ鉄道では、土休日を中心にお客様が増えてきているという現状がありますので、平成10年代後半の、お客様が減って、このままいけば廃止になるだろうといわれていたころに立てた車両計画そのものを見直さなければならなくなる可能性も出てきていますので、現時点ではあくまでも流動的ではありますが。
ローカル線というのは、できるだけローコストで、静かに、安全で正確に走っていることが基本ですから、日常の輸送に関しては新型車両に期待する面は大きいのです。
もっとも、観光輸送となると、私はもともと波動需要に対して新型車両のような新しい資本を投下する考えはありませんから、どこからか見つけてきた中古のディーゼルカーで対応すれば十分だと考えています。
たとえ、整備費が少し多くかかっても、1億5千万円近くの新型車両を導入することを考えたら、その五分の一の金額で、観光資源となるような旧車を入れる方がはるかに効率的だからです。
でも、そうなると、せっかく資金手当てができた新車を導入しないというのももったいないし、新車を入れても、地元の人は喜ぶかもしれないけど乗らないし、観光客は新車では呼べないし、でも、鉄道を観光資源にしたいし、などなど、新年から頭の中はぐるぐる回っているのです。
そうだ、キハ52と同じ顔をした新車を作って、キハ52-901ってのはどうかなあ。
185系や烏山線の40のような、あんな出鱈目がまかり通るのだから、本物が消えてしまえば、本物を知らない世代の人たちはそれでいいのかもしれない。
観光客はどうせわからないだろうし、写真を撮りに来る人たちは、キハ52同志のすれ違いシーンも撮れるし、一石二鳥だよね。
そんなことを考えていたら正月早々熱を出してしまい、本日の上総中野へは行くことができませんでした。
お大事に MYSELF
※ここでは「いすみ200型」と称しましたが、本当の形式名は「いすみ200’(ダッシュ)」です。
当初導入された車両はいすみ100型と呼ばれましたが、輸送力増強のためにクロスシート部分を撤去し、オールロングシートに変えたところでいすみ200と形式変更。その後、床の張り替えで「’」(ダッシュ)が付きました。今度、車端の表記を見てください。そうなってます。
そんなどうでもよいこと、誰も話題にしませんが、今度の鉄コレでは、きちんとなっていますよ。さすが鉄コレですね。
新型車両の情報に関しましては、今後、数回に分けて報告させていただきます。
どうぞご期待ください。