社長のひとりごと   国鉄形気動車 キハ52

諸々の手続きのため来るのは早くても11月の下旬か、12月の初め。
あと2カ月かあ。
早く来ないかなあ。
とりあえず旧国鉄色でやってきて、皆さんにお披露目のための撮影会を12月中旬の土日にやって。

そのあとしばらく検査とお色直しのために入庫して1月下旬にお披露目できるかなあ。
そしたらまたお色直しの撮影会を大多喜でやって。
あっ、そうそう。来ていただいた方への記念の粗品も作らなきゃね。
もちろん、増収のためのグッズもキハ52で作らないと。
撮影会のためには国鉄時代の鉄道部品の即売会の準備もしなくてはならないし。
2月には試運転ができるかな。
試運転にはヘッドマークも欲しいね。
やっぱり昔の房総時代の大型ヘッドマークが良いな。
急行「そと房」って付けたら、夏季輸送の遜色急行の再現ってわかってもらえるかなあ。
横サボはホーローで作って、販売もしたいし、記念乗車券も硬券で作らないと。

臨時の筋も今から考えて。
乗客のために撮影タイムを途中駅で設定したいけど、やっぱり国吉では5分は停車させたいし。
みんな喜ぶだろうなあ。
12月から2月にかけて、撮影会や試運転など、いろいろなイベントを企画して集客できれば、観光シーズン以外の季節でも、鉄道ならお客さんが集まって、活性化するということを証明できるし、そうすれば、地元の人たちの足以外でも、鉄道があれば、観光資源として有効活用できるということも分かってもらえる。

今訓練中の自社養成運転士の皆にもキハ52の列車を運転してもらって、自分の夢をかなえてほしい。
そういう運転士が運転する列車で、みんなの笑顔を運べたら良いよね。

車で来て写真だけ撮って帰っちゃう人たちにも、少しは経費を負担してもらいたいけど、何か良い方法があるかなあ。
サポーター募金でもお願いするかな。
まあ、みんな大人だし、キハ52を動態保存するためにどれだけの経費がかかるかは理解してもらえるという前提で話をしないとね。
車両オーナー制度を作ってくれれば、大金を払ってでも車両オーナーになりたいという人の申し込みも出てきてるけど、ありがたい。
オーナーになってくれた人には、「あなただけのために列車を走らせます。」って企画して、特別臨時列車を走らせるのも面白いかも。
夏になったら、夜汽車もやりたいね。
クーラーを切って、窓を開けて、エンジンとレールの音に耳を澄まして。
整備費用がかさむだろうけど、経費を増収で補うことができれば、ずっとずっと走らせることができる。
世話には手がかかるけど、できないことはないと思う。
それには、売り上げ実績が必要だ。
地元からは 
「そんなに古い車両を買ってどうするの?」
「そんなんで本当に人が来るの? 来なかったらどうするの?」
なんて言われてるし。
存続が決まっても援護射撃が全くなくて、すべて自己資金でやらなければならない状態はちょっとつらいね。
普通だったら、やっとの思いで存続できたのだから、もっとバックアップがあってもいいと思うけどね。
でも、みんなの喜ぶ顔が見たいから。
キハ52にはお客さんに喜んでもらうためにずっとずっと活躍してもらいたいから。
雪深い寒い国から、温暖なお花畑の鉄道に来て、余生を送ってもらいたいから。
神様が私に社長になるチャンスを与えてくれたのは、このためだったのだ、と信じて前進するのみだ。
(写真提供 高橋秀俊 氏)