新年度を迎えて

2年間の検証期間が終了し、平成22年度に入りました。
いすみ鉄道の存続可否の結論はまだ出ておりませんが、社長としてはその間会社を足踏みさせることはできませんから、「存続」を前提とした平成22年度のビジネスプランを立てて進んでいきます。
平成22年度は、次のような方針でいすみ鉄道を前進させてまいります。
1:安全で正確、そして低コスト運行に努める。
鉄道輸送の本業である「安全」「正確」な運行を継続して行うとともに、低コスト化に務めます。
2:観光鉄道化を推進
地域輸送だけでは不足する運賃収入を補うため、観光鉄道化に向けた取り組みを強化します。
具体的にはムーミン列車の運行を継続するとともに、列車に乗ることそのものを観光とする観光用車両の開発、導入に努めます。
また、沿線の住民と緊密な連携を図り、いらしていただいたお客様に楽しんでいただく仕組み作りを継続して行います。
3:物販の強化
運賃収入だけでは補えない鉄道施設の維持、車両設備の修繕等にかかる費用をねん出するため、物品販売を強化します。
具体的には、地元産品を使用したいすみ鉄道オリジナル商品の開発。大原駅売店の設置。オンラインショップの強化。首都圏をはじめとする地域外催事への積極的参加などですが、地域外催事参加の手始めとして、3月の銀座三越に続き、ゴールデンウィーク中に名古屋パルコで行われるムーミンイベントに出展いたします。
4:乗客数のUPを図る
本業である鉄道輸送を強化するため、乗客数のUPを目指します。
現有の設備、要員では現行ダイヤ以上の列車増発、増結運転は不可能であるため、当面は週末や休日などのピーク時以外の集客を図り、乗客数を増やします。
また、将来の輸送力UPに備え、車両増備、要員養成などの長期的計画を立て、順次実施します。
5:いすみ鉄道のブランド化
マスコミ等の告知力を利用し、いすみ鉄道を全国区にします。
それにより、いすみ鉄道をブランド化し、沿線地域の広告塔として、地域全体をブランド化します。そうすることで夷隅郡市全体が活性化され、経済を呼び込む一助になりたいと考えています。
6:皆様が参加できる鉄道を目指します。
自社養成運転士ばかりでなく、各種オーナー制度、ボランティア制度や体験学習などを通じ、皆様が何らかの形で関わることができる「参加型の鉄道」を目指します。
鉄道会社というと堅苦しいイメージがありますが、改札口などの職業体験、お花の種まきなど、皆様に参加していただき、関わっていただくことで、社会に貢献できるような制度を各種充実していきます。
7:社員が誇れる会社にしていきます。
私が就任した時にスタッフの前で約束したとこ、それは「働く皆さんが誇れるような会社にする」「いすみ鉄道で仕事が出来てうらやましいね」といわれるような会社にするということです。
就任から9か月で、今、少しだけ兆しが見えてきた気がします。
多くの人が「いすみ鉄道で働いてみたい」と思っていただけるような会社になることが、すなわち再生であり、活性化であるとの信念で進んでまいります。
今年度もいすみ鉄道にご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。