鉄分補給! 腕木信号機って?

昨日はムーミン列車の出発式ありがとうございました。
ムーミン列車でメルヘン補給しましたので、本日は鉄分補給と昭和レトロ補給といきましょうか。
いすみ鉄道謹製の「房総のけむり饅頭」は、皆様から大変ご好評をいただいておりまして、品薄状態が続いております。
毎週金曜日に入荷しますが、次の週の火曜日にはなくなってしまいます。
先週のようにお祭りがあったりすると特に売り切れるのが早いです。
ということで、ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
ただ、なにぶんにも私のこだわりとして、大工場ではなく、地元のお饅頭屋さんで作っているため、生産能力に限りがございます。
お求めのお客様は、なるべくウィークエンドにお願いいたします。

さて、その「房総のけむり饅頭」の表紙写真に何だか見慣れないポールのようなものが建っています。
これは腕木信号機という信号機で、国鉄時代の非電化路線では全国いたるところで見ることができた信号機です。
下の写真(カラー)は秋田県の小坂鉄道という貨物専用鉄道で昨年春まで使用されていた腕木信号機。

右側にある赤い羽根と黄色い羽根が付いた2灯式のものは、おそらくこれが最後だったと思いますが、
この羽根が下がっていれば「青」つまり進行信号を示し、水平になっていれば「赤」つまり停止信号を示します。
この写真は私がディーゼル機関車の運転席に乗せていただいて撮影したもの。
上の赤い羽根が駅構内の状態を示す「場内信号機」
下のオレンジの羽根が駅の出発信号機の状態を示す「通過信号機」
この状態は「場内進行! 通過進行!」
つまり本線から駅構内に入ることが許されて、駅構内から次の駅へ向けて本線に入ること(発車すること)が許されている状態ですから、この私が乗っている列車が通過列車であることがわかります。
腕木信号機はすでにJR線上からはほぼ姿を消しておりますが、先日福島県の小名浜にある福島臨海鉄道にお邪魔した際に、現役で活躍しているのを見つけました。
ちなみに、この腕木信号機の写真を波の伊八で有名な行元寺の市原ご住職に見せたところ、
「ああ、懐かしい“マネギ”だ」とおっしゃってました。
奥さまも腕木信号機のことを「マネギ」と呼ばれていました。
勝浦出身の私の父もよく腕木信号機を「マネギ」と呼んでいたのを記憶していますが、
房総のこの地域ではそう呼んだのでしょうか?
全国的には「マネギ」という言い方は聞いたことがないのですが・・・
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
秋田県の小坂鉄道の運転席に乗車したのは私が制作したDVDの撮影のため。
鉄分が不足気味の方は、こちらもご覧下さいね。
https://www.pacina.co.jp/shop/catalog/product_info.php?cPath=22&products_id=521&osCsid=19a679cf9791b9ce6bb7cc1dfe106429
【予備知識】
よく「出発進行!」という言葉を使いますね。
一般の人は出発進行の意味を、「すべて準備が整って、今から動き出す合図」と理解している方が多いと思いますが、
この「出発進行」というのは、出発信号機が「進行」、つまり青を示していることを意味します。
運転士は駅のホームの先にある出発信号機を指差確認して青であることを確認し、「出発進行!」と喚呼します。
列車が動き出す合図ではありません。
実際に列車が動き出すことは「発車!」
いすみ鉄道の場合は発車時刻30秒前に運転席で車載器を操作して、出発信号を進行にします。
これで「出発進行!」状態になります。
発車時刻になると、乗降を確認し、扉を閉めます。
そしてホームの安全、車内の状態を確認します。
計器類をもう一度確認して、時刻が来たらもう一度出発信号機を確認。
そして列車は「発車」します。
きょうはまた鉄分の濃いお話でございました。