全日空が会員制度の見直しを行うようです。
実際にはめったに飛行機に乗らないけれど以前に獲得した資格が有効期限なく続いていて、それでラウンジへ入ったり優先チェックインや優先搭乗のレーンに並ぶことができる。
そうなるとラウンジは大混雑だし、優先搭乗は大行列。
めったに乗らない会員のために本当に大切なお客様に便宜を提供することができない。
だから本当にお金を払って乗ってくれる会員を選別して、ずっと以前に会員になって資格だけを維持しているような人と区別しましょうというのが制度変更らしい。
つまり、昔から言われているマイル修行僧を炙り出して、そういう人には別に優良会員の資格は必要ありませんよねという宣言のようですね。
もともとマイレージ制度や会員制度というのは顧客の囲い込みのためのものであって、スーパーマーケットのレジや全国展開のホテルのカウンターでしきりに「会員カードお持ちではありませんか? ポイントがたまりますよ。」と言われるのはこの顧客の囲い込みです。
囲い込みとは他のお店に行かないようにするということですが、でもね、じゃあそれがどれだけお得かというと、例えば東京―札幌間は片道約500マイル。往復で1000マイルとして、特典航空券の必要引き換えマイルが10000マイルだとすると10パーセント引きということになります。
しかも10往復して初めてその1割引きの権利を得るわけです。
考えてみたらすぐにわかると思うのですが、今の世の中1割引きというのが本当にありがたいのでしょうか。
1割引きなんていくらでもあるでしょう。
だったら最初から安い航空券を探して乗った方が、たとえマイルが付かなくても実際問題としてお得なんです。
じゃあ、なぜ修行をするか。
それはたぶんステータスが欲しいのではないでしょうか。
私は航空会社出身ですから別に何とも思いませんが、世の中の多くの人たちは航空会社にあこがれのようなものを持っていると思います。
その航空会社の会員なんだ、上顧客なんだと言いたいのでしょう。
それってひとつのステータスですね。
空港のラウンジというところへ入れるステータス。
他のお客様を横目に優先搭乗レーンから先に飛行機に乗れるステータス。
航空会社というのはそういうことを上手に演出してきていて、ていうか、お客様の方が勝手にステータスを作り上げている部分が多いと思いますが、内情を知っている私としてはあまり意味がないとは思いますけどね。
夢を壊すのは申し訳ないのでこれ以上は言いませんが。
そういう夢を見てステータスにあこがれて、一生懸命修行した人たちは、たいていの場合ラウンジでも多く飲んだ方が得だとばかり生ビールを何杯もお替りして、ナッツやおつまみ、しょうもないようなおにぎりやパンなどをがっつり抱え込んでいるさもしい御仁をよく見かけますが、そういう人はマイル修行僧のなれの果てか出張利権にあやかる給与所得者か。
多分そんなところでしょう。
だからラウンジの雰囲気が壊れるわけで、今の時代、航空会社は昔のように1人でも多くの会員を増やしたいという経営環境ではなくて、できるだけ高いお金を払っていただける方を囲い込みたいということでしょうから、つまり、さもしい御仁はご退席願いたいというのが本音だと私は常々思っていましたが、やはりそうだったか、というのが今回の全日空の「改悪」ということです。
で、今回の制度変更で面白いのが自社のクレジットカードを年間300万円以上ご利用の方は、飛行実績が規定に達しなくてもラウンジ利用などの会員資格が維持できる点です。
年間300万円クレジットカードで決済するってのはふつうの給与所得者では無理ですからね。
ご本人たちは悔しいでしょうけど、航空会社はそのような人は望んでいないということがはっきりわかりました。
つまり、国際線だったらビジネスクラスに乗るようなお客様を会員にしたいということでしょう。
エコノミーの、しかも格安航空券の人にはラウンジをオファーしないというのはラウンジの趣旨からいえば当然のことですが、現状はその当然のことが当然ではなくなってきているので、当然に戻しましょうという至極まっとうなことに聞こえるのは私だけでしょうか。
私の場合、仕事柄30代のころからビジネスやファーストにたびたび乗せていただくという恵まれた環境にありましたが、ある時ふと考えたのです。
「ビジネスクラスって何だろうか?」と。
ビジネスクラスは出張に行く人たちが利用する座席という定義です。
だから、乗っている人たちは上級の給与所得者であり、航空券代は会社の経費から出ているわけです。
ということは、給与所得者でなくなったら、つまり会社を定年になったら自分のお金では乗れなくなるのですから、私は航空会社を辞めてもしばらくの間は自分のお金でビジネスクラスやファーストクラスに乗っていましたが、50代半ばのある時それをやめました。
いつまでも偉そうにふんぞり返って乗れるわけではありませんから、できるだけ早いうちに引退した方が良いと考えたからです。
おそらく日本人の8割以上が給与所得者でしょうけど、彼らは悲しいかないつかは給与所得者を引退して年金生活者になるのですから、そうなったら肩書も外れるので経費も使えなくなります。
だから定年になる前に、50代半ばぐらいからそろそろ引退の準備をしておいた方が良いのです。
給与所得者に対して経営者という自分でビジネスを行っている人たちがいますが、では、そういう人たちならビジネスクラスやファーストクラスに乗れるかというと、よほど儲かっていて、税金で持って行かれるのがしゃくだという人は別として、やはり経営者の8割以上の人たちは「高いお金を払ったらからといって早く着くわけでもないから無駄だ」と、エコノミーで飛んでいます。
もともと経営者というのは節約志向が強い人たちですからね。
ということはやはり同じようにある程度の年齢になったらビジネスやファーストからは引退した方がよろしいのではないかと私は考えるわけで、60を過ぎるころにはステータスも優越感もラウンジのタダ酒も早いところ縁を切っておかないと、人生イライラが募るばかりだと考えるのです。
さてさて、
そんな私ですが、今週はかなり頑張りました。
いろいろな意味で頑張りましたので、めったにそんなことは考えないのですが、「自分にご褒美をあげようかな」と思っていました。
女子だったら、おいしいものを食べるとか、ちょっと贅沢な買い物をするとか、いろいろあると思うのですが、あいにく私の場合、今までの人生でそんなことを考えたことが一度もない。
なぜなら、親の言うことを聞かずに早くから家庭を持ち、子供を5人も作って、全部学校に行かせ、今では孫が7人という人生ですから、自分のことを振り返る余裕などなかったのでありますが、なんとなく、ふと、「自分にご褒美」なんてことを考えてみたのです。
(まぁ、それだけ今週は大変だったとご察し願いたい…云々)
でもね、思い浮かばないんですよ。
欲しいものは何もない。
で、会社の帰りにスーパーに寄ったら、こんなものが並んでいたのです。

すごくないですか?
地元吉田漁港の本日水揚げ生しらす、税込み459円。
しかも半額!
半額はうれしいけど、お金の問題じゃない。
東京の料亭や高い寿司屋でもなかなか食べられませんよ。
こういうのなんですよ。
お金を出せば何でも手に入る時代に、こういうのが贅沢なんですよ。
わかりますか?
お金でもなく、モノでもなく、地元ならではの「体験」なんです。
ということで、本日はコイツで「プハ~!」
一週間頑張った甲斐がありました。
地元のスーパーでもなかなか売ってないんですから。

コイツをね、ポン酢と醤油をいろいろと変えて味変を楽しむのです。
それではいただきま~す。
安上がりの幸せ。
ステータスにこだわっているようでは、この幸せはご理解いただけないでしょうね。
しぞ~か住み、やめられませんね。
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