郵便はがきが5円の時代。

郵便はがきが5円の時代がありました。
私が子供のころに記憶しているのは確かはがきは7円でした。
今は85円でしたっけ。

もう、年賀状も失礼するようになってからかなりの時間が経っていますので、今、はがきがいくらなのかちょっと見当もつかなかったのですが、郵便局へ行ったら85円でしたので、今の時代85円払ってはがきを出す人ってどれだけいるのだろうか?
などと考えてしまいますね。

こちらが5円の郵便はがきです。
郵便はがきが5円だったのは昭和30年代の話で、調べたら昭和41年には7円に値上がりしている。
ということは、昭和41年に私は6歳でしたから、はがきが7円だったという記憶は正しいということになりますが、5円のはがきを捨てることなくあと2円追加して7円はがきとして使用したのがこのはがきでしょう。
「金谷 2円収納」となっていますから、料金改定の時に2円追加して使用していたことがわかります。

では何に使用していたのかというと、こちらをご覧ください。

これははがきの裏面に印刷されたものです。

「おしらせ」とありますね。
何のお知らせかというと、よく読んでいただければわかると思いますが、「あなた様宛の荷物が駅に到着しましたので引き取りに来てください。」という内容です。

ということは、誰かが鉄道で荷物を送ると、到着した駅から届け先へこのはがきが届くのです。
そして、このはがきを受け取った人は、「あぁ、荷物が着いたなあ。」と言って駅に取りに行く。

そういうことです。

昭和41年に郵便はがきが7円になったのですが、昭和40年代は鉄道が輸送の中心で、荷物が着いたらこうやってお知らせが届いたということです。

なぜかわかりますか?

そうです、電話がなかったからです。

いまなら「お荷物着いてますよ。」と電話をすれば済むわけで、いや、電話じゃないですね。メールで送ればよいのですが、当時は駅からはがきを出してお知らせしていたのです。(ちなみに公衆電話は10円でした。)

思い出しましたけど、昭和50年ごろの話。
秋田の知り合いからリンゴを送ったというはがきが到着しました。
私はそのはがきを持って国鉄の板橋駅(今の埼京線の駅)に、「リンゴ着いてませんか?」と自転車で取りに行きました。
すると、小荷物窓口の国鉄職員が「さあ?」というのです。

秋田の知り合いが「リンゴを送ったよ」と言ってはがきを書いて投函して、そのはがきが着くのに最低でも2日はかかります。
で、そのはがきを持って駅へ行ったら、「さあ?」って言われたのです。
つまり、月曜日にリンゴを送る。
「今日送ったよ」とすぐにはがきを書く。
秋田からの郵便は最低2日かかりましたから水曜日にはがきが着く。
木曜日に駅にそのはがきを持って取りに行くと、「さあ?」ですからね。
いったいリンゴはどこへ行ってしまったのでしょうか?
という世界です。
で、金曜日か土曜日にこんなはがきが駅から着いて「リンゴが到着しましたから取りに来てください。」となるわけで、駅までノコノコと取りに行く。

月曜日に秋田を発ったリンゴが東京に土曜日に着くわけで、私はすぐさま「リンゴが届きました。」というはがきを書いて日曜日に投函すると、火曜日か水曜日あたりに秋田の知り合いの所に「リンゴが届きました。」という知らせが届いて、「あぁ、無事についたんだ。」となるのです。

発送してから相手に無事についたのがわかるまで実に10日かかる。
昭和40年代というのはこんな時代だったのであります。

これまた別の知り合いの話ですが、その人は四国の出身。
で、リンゴはフカフカしたのが好きだと言います。
私は東京ですからリンゴというのはシャキシャキしてるもんだと思っていて、フカフカのリンゴなどうまくもないと思っているのですが、四国出身の人に言わせると、「シャキシャキのリンゴは寒気がする。」
つまり鳥肌が立つように気持ち悪いというのです。

いつだったか新潟でこんな話をしたら、そのフカフカのリンゴのことを「ボケリンゴ」と言うらしくて、「ボケたリンゴなんか食えんわ」と言ってましたから、そういうことを総合すると、多分ですけど青森県や秋田県で取れたリンゴは貨物列車に揺られて1週間か10日ぐらい経ってから四国に届く。
そして消費者の口に入るまでさらに数日かかるでしょうから出荷してから家庭に届くまで2週間かかるわけで、だとすればシャキシャキだったリンゴもフカフカになるということで、つまるところ四国の人たちはフカフカのボケリンゴがリンゴだと思っているのではないか。

と、私なりの結論に落ち着いたのであります。

いや、実は会社の倉庫を整理していたらこんなはがきが出てきたものですから、まぁ、「いつのものでしょうか?」と驚いた次第でありまして、これは私が音楽の先生から「最初は休み」と言われてなんのことだか理解できなかった小学校3年生のころから、SLを追いかけて日帰りで北海道へ逃亡した今から50年前の中学3年生の時。さらに飛行機の操縦訓練を受けていた時。そして所帯を持って子供を育てて、その子供が大きくなってさらに所帯を持って孫ができるという今の今まで、長年にわたって会社の倉庫で封印されたように眠っていたのでありまして、そう考えるとこの1枚の紙きれが妙に愛おしくなるのであります。

実は今、1月の大阪のイベントに向けて古い切符をいろいろと選別しているのですが、そんな時にこのはがきを見つけたものですから、今日のブログに取り上げてみました。

ちなみに日本郵便の規定では古いはがきを新しいはがきに取り換えるためには手数料が5円かかる。
ということは、5円のはがきですから手数料5円を差し引いたら単なる紙切れということになりますが、今のはがき料金は85円ですから、80円切手を貼ればこのはがきは使えるのでしょうか。
いや、2円すでに払ってありますから、あと78円ですかね。

誰か試してみる勇気がある人はいらっしゃいませんでしょうか?