観光コンテンツ発掘の旅

ローカル鉄道が観光のコンテンツになる。
そうすれば観光客が来るようになり、地域経済にも貢献することができる。

私がこんなことを考えて行動し始めたのが2009年ですから、かれこれ16年になります。
その間に何をやってきたのかということは、ほとんどすべてこのブログの過去ログを紐解いていただければご理解いただけると思いますが、考えてみれば15年前に私が観光鉄道化を提唱したときには、地元のえらい人たちは
「観光なんて遊びだろう。お前は税金を使って遊びをやるのか。」
と、皆さん口をそろえて「けしからん」と言っていましたが、今ではどうでしょうか。
ローカル鉄道の観光化は、上手にやりさえすればきちんと地域貢献できるというのが、ある種常識化されたように思います。

そんな私にお仕事をいただきまして、今日は福島県の喜多方市に行ってまいりました。

喜多方と言えば皆さんすぐに思い浮かぶのが蔵の町とラーメンでしょう。
でも、喜多方がラーメンで有名になったのはそれほど昔のことではなくて、多分ですが、ここ40年ぐらいではないかと思います。

で、喜多方の皆さんとしては、ラーメン以外にもいろいろ観光のコンテンツがあるのですよということで、私にいろいろと教えてほしいと、かなり高いお金をいただいてお仕事のご依頼を受けました。
地元でこういうご依頼を受けるときは、私はできるだけお金をいただかない方向ですが、平日に時間をかけて遠くまで行かなければならない時は、しっかりとご予算を立てていただいておりまして、そういう金額はすなわち大井川鐵道の雑収入として計上されますから、赤字の会社としては大変ありがたいお話でして、時間が許す限りお受けすることにしております。

さて、私は只見線の復旧に向けて、運休中から会津地方の皆様方には関係させていただいております。
おかげさまで、一時は「もうだめか」と皆があきらめかけていた只見線が見事に復活し、今では観光のコンテンツとして人を呼ぶツールになっているのは皆様ご存じのとおりですが、これもひとえにわたくしの努力のたまものだ、とは申し上げませんが、実は私の体の半分は福島の血が流れているものですから、福島県のことになると他人事とは思えずに一生懸命貢献させていただきたいと、もう10年以上前から力を惜しまずに協力させていただいておりまして、会津に来ると知り合いに会えるようになって、なんだか「おかえりなさい」と言われているような、あたたかな気持ちになれるのです。

恋人坂
ここは北海道の富良野かと見まがうばかりの雄大な景色。
喜多方の皆様方にお連れいただきました。
蔵とラーメンだけじゃありませんよ。

こういう素晴らしいところを、どうやって観光地化していくか。
人が来る観光のコンテンツにするか。
もちろん地域住民の中には、「人が来るようになったら迷惑だ」という人もいるのが世の常ですから、たぶんそう簡単にはいかないだろうとは思いますが、こういう素晴らしい場所があることは紛れもない事実ですから、何とか有効活用したいですよね。

ということで、遠藤市長さんはじめ、地元の重鎮の皆様方の前でお仕事をさせていただきました。

ただ、それだけではありません。
スクリーンに何と書かれているか読めますでしょうか。

最近ではこの方も知名度を上げてきておりまして、新潟時代の地域の観光コンテンツの開拓などのお話をされるようになってきました。

どんどん力をつけてきていますが、そのうち、私があちらこちらへ行くのが難儀になってきたときには、私の代わりに出かけて行ってもらえるように、後継者として鍛えているところです。

実は大井川鐵道にはもう一人、私の後継者となるべく鍛えている職員がいるのですが、その彼は顔出しNGなものですから、現在は影武者として活躍してもらっていますが、16年もやって来て、そろそろ遠出もくたびれてきていますので、徐々にバトンタッチしていければと考えております。

ということで、今日は福島県の喜多方市へお邪魔しましたが、もう寒かったです。
すっかり秋ですね。

そうそう、喜多方へきて気が付きましたが、こちらでは鉄道会社が市役所や商工会議所と密接にかかわっているのです。
これはちょっと意外でした。
駅の有効活用なども進んでいて、第3セクターでもないのに珍しいなと思いました。

で、私の反省。

大きな鉄道会社はあまり地域とかかわりたくないと思っていると思い込んでいましたが、実はそんなことないようで、こうして力を合わせて地域を盛り上げようとしているところがあるのです。
先日お邪魔した鹿児島県の指宿枕崎線もそうですし、北海道の釧網本線もそうですが、大きな鉄道会社も急速に変わりつつあるということを感じます。

世の中は生き物のように変化しているのですから、小さな鉄道会社としてはうかうかしていられませんね。
今日は喜多方の皆様方から、反対にいろいろなことを学ばせていただきました。

本日お世話になりました皆様、ありがとうございました。