ローカル鉄道を預かる身としては地域を知ることが大切です。
前職、前々職時代から私は地域を歩いてきました。
「そんなことやっていくらになるの?」
そう言われる方もいるかもしれませんが、地域の財産を発掘してそれを観光コンテンツに仕上げていくことをしなければ、日本の田舎はじり貧ですから売る商品がありません。
それをどこかで打開していかなければならないのです。
最近では忙しくてなかなか地域を巡ることができないのですが、それでも月に1回ぐらいはこうして沿線を歩かなければ、だんだんと自分が地域の実情からずれてくると私は思っています。

ということで最初に訪れたのは田野口駅です。
田野口駅は今列車が走っていない駅なのですが、地域の皆様方が定期的に駅をきれいにする活動をされています。
お茶をいただいたらこういう湯飲みでした。
昭和59年、私は24歳でしたね。


自分たちの駅を守ってくれている活動には頭が下がります。
皆様、いつも本当にありがとうございます。
田野口駅の次に向かったのは井川線です。
千頭駅の道の駅の駐車場は10時半の段階ですでに満車でしたので、長島ダムへ向かいました。

このダムは国のダムですが、何か観光客を呼ぶ方法はないか考えています。
これだけの施設ですから、あまりにももったいない。


ダムからほんの数分の所に井川線が走っているのですから、使えると思いませんか?

長島ダム駅はアプト式の機関車を連結する駅です。
珍しい連結シーンにお客様がこんなにたくさん集まってきます。
日本で唯一のアプト区間の機関車の、この連結シーンだけで完全に観光コンテンツですね。
金男くんじゃないですが、「お金のにおい」がしますよねえ。

川根温泉でちょっと休憩をして、次に向かったのは抜里駅です。


先日NHKニュースで「建築事業者さんがみんな牧の原の竜巻被害の復興現場へ行ってしまって、修復の手配が付かない」と言われていましたが、すでに作業が始まっておりますので皆様へご報告です。
できるだけ早く建物の修復を行って、サヨおばあちゃんにお店を再開してほしいと思っています。
そして次に向かったのは家山のチャリム21という公会堂です。

こちらでは大井川鐵道のスタッフで、川根温泉ホテルで働いていただいている佐藤駿太さんのバイオリンコンサートが行われました。


佐藤さんは東京芸大の大学院を卒業されて、フランスにも留学経験がある類いまれなる才能の持ち主で、復興に向けてのチャリティーコンサートを開催してくれました。
駐車場に入りきらないほどの賑わいでしたが、素晴らしいバイオリンの音に、地域の皆様方も聞き入っていました。
大井川鐵道にはこういう素晴らしい人材がいるのです。
ということで、これだけ回るとなんだかんだで日も暮れてきまして、私の1日があっという間に終わってしまいました。
秋分の日を過ぎて、ずいぶん陽も短くなってきましたね。
そしてそして、今日はYAHOOニュースも書きました。
先週訪ねた鹿児島県の指宿枕崎線を走った観光列車「おれんじ食堂」のレポートです。
今の時代、観光列車は地域に人を呼ぶツールになるというのが常識になっています。
ローカル鉄道は観光資源ですから、上手に使って地域を盛り上げていきましょうという内容ですが、ただし、それは誰にでもできるわけではありません。
ボンクラ経営者にはできませんから、それなりのノウハウを持った人に任せないと時間の無駄なのです。
今回のおれんじ食堂の指宿枕崎線への乗り入れも、きちんとノウハウを持った人だからできたのです。
その人の名は万福充(まんぷくみつる)さん。
1度聞いたら忘れないお名前の持ち主の私の友達であります。


皆さん、ボーっとしていたらどんどん先を越されますからね。
地方こそ、能力のある人間を集めないとどうにもならない時代になってきているのです。
▼YAHOOニュースもどうぞご一読ください。
観光列車とは何か? おれんじ食堂がJR指宿枕崎線を走ったその理由(鳥塚亮) – エキスパート – Yahoo!ニュース
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