明日はD51「ナイトパーク」!!

以前から何度かお話しておりますのでご承知の方もいらっしゃると思いますが、直江津D51レールパークと455系国鉄急行電車はセット商品です。

コロナ禍でしたがトキめき鉄道の観光の可能性をどうやって引き出したらよいか。そう考えてちょうどお話をいただいていたD51とJRからの払い下げ車両を何とか使って雪月花に次ぐ観光列車をできないだろうか。
予算はありませんので、目の前に来たチャンスをつかむ以外にはありません。
そう考えました。

そこで、昭和30年代後半から全国各地で活躍した455系急行電車と、その電車に乗って行くと、当時はまだまだあちらこちらで活躍していた蒸気機関車に会える。
そんな形がよいと考えました。

鉄道というのは単なる移動手段だけじゃなくて、乗るときにワクワクするようなことがなければ夢と希望を運ぶことができません。

私たちが子供のころは、東京駅や上野駅、あるいは新宿駅などのホームで次々と発車していく特急列車や急行列車にワクワクしたものです。

「あの電車に乗って遠くへ行きたい。」
「あの電車に乗って行けば蒸気機関車が走っているところへ行かれる。」

そんな、電車に乗ることがワクワクするような、指折り数えて楽しみにできるような、そういう世界を作れば今の若い人たちにもきっと受け入れてもらえるし、今の若い人たちがワクワクするような経験をして、それが思い出に残れば、鉄道というものが次の世代に引き継がれるだろう。

まして、それが直江津ということになれば、全国からやってくる若者たちが、「俺って直江津に行って国鉄急行に乗って、D51の走っている姿を見たんだ。」という思い出になりますから、そういう人たちが20年後、30年後に直江津のことを思い出に持ってくれるようになれば、必ず直江津にとってもプラスになるはずですから、そう考えまして、つまり、D51と国鉄急行電車はセットなのです。

時代考証は1970(昭和45)年から1975(昭和50)年の間。
1970年には大阪万博。
1972年は鉄道百年。
1975年は沖縄海洋博。そして国鉄線上から蒸気機関車が消えた年。

日本がどんどん発展していって、国民生活が向上し、輸送力増強の名のもとに電化、複線化が全国的に展開し、長距離列車も一番華やかだった時代。

その時代がテーマです。

一例をあげれば、23:50に上野駅を発車する455系急行「ばんだい」に乗ると、翌朝5:00に会津若松に到着。すぐ隣のホームから喜多方方面への日中線の始発列車がC11に引かれて発車します。

455系電車に乗って行けば、蒸気機関車が走っている場所へ連れて行ってくれる。
そういう世界です。

大阪の人はたぶん急行「立山」。名古屋の人は急行「くずりゅう」に乗って行けば金沢から先、七尾方面へはC56が走っていたし、福井から越美北線にはハチロク。大糸線にもC56が走っていました。
東洋活性白土の機関車にも会えました。
西日本の人は急行「玄海」に乗って行けば筑豊では煙もくもくの時代。

それが1970~1975年。
おじさんからおじいさんの年齢の人たちがワクワクして電車に乗っていた、その気持ちを今の若い人たちにも楽しんでいただこうというのが、私の考えです。

ということで、前置きが長くなりましたが、明日は直江津D51レールパークの夜間開催。ナイトパークです。

そして「夜行列車」が走ります。

その「夜行列車」が発車する前に、夜の機関区を訪ねてD51を見に行くことが明日はできるのであります。

納涼列車も走りますが、19時過ぎに納涼列車が直江津駅に到着後、ちょっとレールパークに足を延ばしてみてください。

ライトアップされたD51は昭和の時代とは違いますので、顔をしかめるおじいさんたちもいらっしゃるとは思いますが、私はとても楽しい企画だと思います。
なぜなら、D51827は昭和18年生まれ。
戦争をくぐりぬけてきているのです。
そして戦後の日本の発展に大きな貢献をしてくれた。
そのD51が、今、若者たちに囲まれて、ライトアップされた姿を見てもらって、写真に撮ってもらったら、うれしいのではないかと思うのです。

ということで、皆様、明日は直江津D51レールパークのナイトパークへお越しください。
入場料は破格の100円です。

観光急行の中づり広告。
昭和45~50年までのものがつるしてあります。
そういうところをきちんとやらないと、ダメなんですけど、わかる人にはわかる。わからない人にはわからない、いうなればアートの世界のようなものなのであります。