クロザって何だ?

例えば私が184円の唐揚げ弁当の写真をアップしたりすると賛否両論が巻き起こります。

賛としては、
・これはお得ですね。
・自分も食べてみたい。
・こういうのがあるんですね。よく見つけましたね。
・社長さんなのにこういうお弁当を食べているんですね。(あくまでも賛否の賛)
・お味はどうですか。
などなど

否としては
・社長なのにこんな弁当を食べているのですか。(賛否の否)
・添加物いっぱいですよ。
・原価考えたら原材料の質がわかりますよね。
・揚げ物なんて健康に良くないですよ。
などなど

よく見ると賛否の賛の中にもいろいろなテーマがあって、賛否の否の中にもいろいろなテーマがある。

YesかNoかでは一概に範疇分けできないことがわかります。
つまりこれが多様性ということでありますが、私としては、その多様性の中で賛否両論のご意見をいただいた方々のバックグラウンドを想像して、そこに自社商品のお客様になっていただけるかどうかの可能性があるかどうかを見つけたいというのが本音です。

つまり、商品の価格と価値とがどういうバランスでお客様にご理解いただけるかということなのですが、逆に言うと、184円のお弁当というのは100人の人間がいたら50~60人ぐらいかな。半数以上の皆様はご理解いただけるのかなと思うのであります。

スーパーのお弁当ですから、一般の人々に受け入れられなければならないという宿命があります。
その点184円のお弁当は衝撃的でありますし、手に取っていただきやすいでしょうし、目玉商品としてご来店いただいてお店全体の売り上げ増につなげることもできるかもしれません。

半面、こういう時代ですから、そんなお弁当食べて大丈夫ですか?という人もいれば、原価を考えたら利益など出るはずもなく、従業員が安い賃金で働かされているのかもしれないと心配する方もいるでしょうから、たとえスーパーマーケットといえども、100人中100人に受け入れられることはできませんし、商品を出す側もそれを求める必要もないと思います。

では、1840円のお弁当になるとどうかというと、多分100人中20人ぐらいがお客様になっていただけるはずで、そのぐらいのマーケットは存在しているかもしれません。
ちょっと贅沢なランチ的な需要はあるでしょう。

でも、1840円のお弁当にも賛否両論はあるはずで、「庶民の感覚からかけ離れている。」「お前のところは金持ちしか相手にしないのか。」など、「否」も多いと思います。
何しろ100人中80人はお客様にならないだろうという商品ですからね。

食べてみてからValue for Moneyには程遠いというのならまだしも、食べもしないでそういう商品を出すこと自体に文句をつける人もネット時代の特徴ですから、まあ、お里が知れるというものでしょう。と、商品を出す側からお客様を範疇分けする商品ということです。

さらに18400円のお弁当となるとどうでしょうか。
価格的に判断すると多分100人中1人がお客様になっていただけるかどうかという商品ではないかと思います。

ここまでくると、かなり尖った商品になりますから、ほとんどすべての人がお客様にはならない。
お金が無くて買えない人ばかりじゃなくて、お金があってもそんなものは買わないという人も多いでしょうね。
つまり、マーケットとしてはごくごく限られた商品ということになります。

そういう商品はいったい誰が買うのかということですが、100人中1人ということは人口1万人いればお客様になっていただける人は100人いるでしょうし、10万人いれば1000人いる。
ベンツやBMWが町を走っているのはそういうことでありますから、軽自動車を買うのを悩んでいる人たちが「ベンツはけしからん。」と言ったところで、ベンツの会社が「申し訳ございません。」と謝る必要もないのではないでしょうか。

ということで、トキめき鉄道の新商品は「クロザ」。
観光急行の一番前の座席にお乗りいただく指定席券です。

限定1席
お値段は27500円。
この他に、運賃、急行料金等が別途必要となります。

誰がこういう商品をご購入されるかというのはおそらく1000人中1人ぐらいでしょうけど、1か月1万人ぐらいご乗車いただいている観光急行ですから、10名様ぐらいはご希望になられる方もいるのではないかと私は考えていますし、999名の方がお客様にならないという商品ですから、賛否両論あるというのも事実だと思います。

ではなぜこんな座席をこんな高い値段で売るのかといえば、トキ鉄は赤字だからです。
赤字だからお金を稼がなければならない。
お金を稼ぐためには売り上げを上げると同時にできるだけコストをかけてはいけない。

280円区間に臨時列車を走らせて100人ご乗車いただく手間とコストを考えたら、27500円を払っていただけるお客様を1人探してきた方が、はるかに黒字に近づくわけで、赤字の会社としてはお金を払っていただけるお客様を探して、そのお客様のご希望に沿って、心地よくお金を払っていただける商品をできるだけローコストで提供することが、赤字を脱却する経営努力としては効率的だからです。

だから、賛否の否は私は気にしないのであります。

なお、この商品は実はご購入いただくためのお客様側のハードルが大変高いものでありますから、承諾事項をよくお読みいただきましてお申込みいただく必要があります。(飛行機の非常口座席のような制約があるとお考え下さい。)

ちなみに、走行中の運転席にお乗りいただく場合には乗務員以外に立ち合いの職員が同席させていただきますが、その立ち合い担当は私でございます。

「言うことを聞かなければつまみ出すぞ。」という係が私ですので、あらかじめご了承ください。

敢えてお申し込みのURLは貼りませんので、ぜひたどり着いてください。
そして各種注意書きをお読みいただきましてお申し込みくださいますよう、ご乗車をお待ちいたしております。

ただし、限定1席ですので、満席の場合はご容赦ください。

ちなみに私が時々買う184円のお弁当というのはこちらです。▼

唐揚げ弁当


牛丼

どちらもボリューム満点でお味もおいしいですよ。


こちらは298円の海鮮丼。

いやいや、なかなかどうして、恐れ入りました。

こういうお弁当をいただきながら、1000人に一人の商品を考えているのであります。