台湾の花蓮県で特急列車が脱線して多数の死傷者が出た事故のその後です。
昨日、事故の列車の運転席から自動撮影した前面展望動画が公開されました。
恐ろしい映像でした。
手前のトンネルを出てからわずか5秒ほど。
「あっ」と思ってブレーキをかけて2秒で衝突したようです。
怖かったろうなぁ。
運転士さんはこの時にお亡くなりになられています。
乗客はもちろんですが運転士さんにも全く落ち度がありません。
本当に無念だと思います。
この運転士さんは台北の南にある樹林運転所の所属で、ご自宅は台中にあるとのこと。
この事故は乗務の途中で発生したものですが、向こう側の世界へ行かれたとしても、まだ乗務の途中です。
仏様になってご自宅へ帰ることになってしまったわけですが、乗務の途中ですから所属する樹林運転所に戻って乗務終了報告を行う必要があります。
ご自宅へ戻られるのはその後のことです。
そう考えた台湾国鉄の皆様方は、この運転士さんを所属する樹林運転所に戻して乗務終了報告を受けて、その後ご自宅のある台中に帰宅いただく手配を取りました。
▼それがこのニュースです。
台湾CBCニュース
花蓮から仏様を乗せた特別列車が運転され、樹林駅で国鉄職員の皆様方がその列車を出迎えて「樹林駅到着。任務終了」と唱和しています。
列車はその後、台中駅まで運転されました。
台湾人の宗教観では仏様は日没までに戻らなければならないようで、特別列車は途中無停車で走り切ったようです。
責はないとはいえ、事故を起こした当局がもし日本で同じようなことをしたら、どんなことになるでしょうか。
マスコミや無関係の人たちが「けしからん」と大騒ぎになるでしょう。
そういう点では、私は台湾人は日本人よりも進んでいる、あるいは考え方が成熟していると思います。
私たちは台湾の事故から、こういう所も学ばなければならないと思います。
お亡くなりになられたたくさんの皆様、怖かったでしょうね。辛かったでしょうね。
どうぞ、安らかにお休みください。
そして、鉄道の安全を見守ってください。
心よりご冥福をお祈りいたします。
▲樹林運転所を出発する太魯閣号。
最近のコメント