昨日はブログを更新する時間がありませんでしたので、この時間に更新いたします。
ご存知のように、今、北海道の鉄道は大変なことになっていて、ある意味で今週が山場だとも言われているようですが、どうも本当のことが伝わってこない気がするのです。
JR北海道が赤字
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国が「何とかしろ」とJRに問う。
マスコミが「JRは何やってるんだ」と矛先を向ける。
住民は「不便だから乗らない。」「関係ない。」と言いながら批判だけする。
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JRが「では、株式会社として、不採算路線を切ります。」と言う。
こういう図式で、なし崩し的に北海道の鉄道が壊滅状態になる。
物流はどうするのでしょうか?
空港を作って航空輸送?
でも、ジャガイモや玉ねぎなどのような農産物は重くてカサが張る割には値段が低いですから航空輸送には適しません。
高速道路があればトラックで運ぶ?
バスやトラックの業界では、すでに運転士不足が深刻化していて、将来的には運べなくなるのは目に見えています。
この部分に、移民制度でも導入して、外国人の単純労働者を迎え入れるつもりですか?
だって、北海道の鉄道貨物が占める輸送量の割合は全体の1~2%でしょう?
確かに現状の数字で見る限りはそうかもしれませんが、9月の台風でその1~2%しかない貨物列車が運転できなくなっただけで、首都圏では野菜が高騰し、あれだけ騒ぎになったことも事実です。
そういうことをトータルに考えることなしに、旅客会社が赤字だからやめてしまいましょう。線路は要りません的な議論をしているのは実に発想が貧しいと私は思います。
鉄道は人や貨物を運ぶためのもの。
北海道で採れた作物は、日本という大きな体を動かすための栄養素で、その栄養素を東京や大阪という大消費地、つまり筋肉や頭脳という体の中枢部に運んで、きちんと全体を機能させるための血管にあたる部分が鉄道であり道路であるわけです。
だから、そういう機能はきちんと維持しなければなりませんし、どこかで血管が詰まったり切れたりすれば、そこはやはりきちんと手術なり治療をして元に戻さなければ、やがてそこから先の部分は壊死して機能しなくなってしまうわけで、人間の体は動脈や静脈などの太い血管だけで成り立っているわけではなくて、毛細血管がなければ体全体に酸素や栄養が回らなくなりますから、そういう意味ではローカル線だって大事な存在なのです。
今、とりあえずお金がかからなければいいから、鉄道はやめてトラックにしましょう的なその場しのぎの対策が、昨今の財政難の時代には当たり前のように見られていますが、この国をどうしたいのか、北海道をどうしたいのか、そういうトータルビジョンがまったく見えないんですよね。
だって、どうして青函トンネルは北海道の負担なんですか?
どうして経営改革が迫られているJR北海道が新幹線なんですか?
そういう大人の事情には誰もメスを入れず、悪いのはJR北海道だ!的な議論ばかり。
でもね、私の目で見た限りでは、JR北海道の乗務員さんや駅の人たちなどは、他の会社に比べたらかなり丁寧で親切ですよ。
こんなにバッシングされているのに、きちんと日々の業務に専念されていらっしゃるのは、鉄道マンとしての誇りがあるからだと思います。
これは東京や大阪にいる人にはわからないかもしれませんが、これからの季節は白い悪魔との戦いが待っているわけで、限られた経営資源、人的資源の中で、列車の運行を何とか維持していかなければならないという、強い使命感があるんです。
30年前に、分割民営化された際に、本州3社には新幹線を持たせた。
これは国がどうしても国鉄の民営化の成功事例を作りたかったからで、その時すでに北海道、四国、九州はいずれ立ちいかなくなると言われていました。
九州は時代の追い風と経営努力で何とか成り立たせましたが、北海道は「当初の予想通り」傾いてきているのです。
本来だったら新幹線は別会社にして、そこから上がる利益で国鉄の借金をきちんと返済し、立ちいかない田舎のローカル線をカバーするべきで、東中西は在来線をしっかりやっていれば、今のような「儲かるところだけ一生懸命やる」なんて風潮にはならなかったはずです。
同じ親から生まれたにもかかわらず、片や「兆」がつく金額でリニアの話ができるほど立派になり、片や地道に地域輸送に励みながらも明日どうなるかわからない存在だというのは、それは北海道の努力が足りなくて、やり方が悪いからなのでしょうか。
国鉄時代から、分割民営化の経緯をずっと見てきた古い人間として、そんなことを考えています。
そして、若いころ旅した思い出の北海道の鉄道を、何とか守りたいと考えているのです。
この気持ちは、木原線を守る気持ちと全く同じなのであります。
▲昨日富良野市内で開催されたフォーラム。
▲富良野市の能登市長さん。
富良野市役所の市長室には名誉市民の方々の肖像画が飾られています。見覚え有る方ですね。
▲フォーラムのあとの夕食会で。
左から赤平市の菊島市長さん、能登富良野市長さん、滝川市の前田市長さん。
「住民が鉄道は乗らない、関心がないからといって不要なわけじゃない。行政が率先して鉄道を守っていかなければ、地域が全部だめになる。」
3名の市長さん方が同じご意見です。
まさにリーダーシップですね。
▲最後は全員で記念撮影。
皆様、ありがとうございました。
是非、北の鉄路を守っていきましょう。
そうそう、来春に皆様方20数名様で、市の幹部の方々、住民の方々も含め、いすみ鉄道のレストラン列車をご視察いただくことになりました。
1本丸ごと貸切列車です。
いすみ鉄道の営業もばっちり大成功です。
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