今日はお医者さんから安静にしていた方が良いですよと言われましたので、おとなしくテレビを見ることにしました。
ふだんは録画していたものを見る時間がないのですが、今日は見ようと思い、先日放送された「人生の楽園」を見てみました。
おとといの京都でもそうでしたが、このところ行く先々で「人生の楽園見ましたよ。」とお声をおかけいただくのに、私が見てなければ話になりません。
それにしても700回記念にいすみ鉄道を取り上げてくれたありがたさと、700回も続く番組は、いろいろなところでたくさんの人が見てるんだなあと実感しておりますが、今回の「人生の楽園」のテーマは私じゃなくて自社養成乗務員訓練生の第1期生として入社した武石和行さんです。
700万円払って鉄道の運転士になるという日本の鉄道史上初めての企画は、当時、いろいろなところから非難を受けました。
「お前は安全というものを何と考えているのか。」など、ごもっともな意見を言う人が多かったのですが、お医者さんや弁護士さん、会計士さんなど、日本の国の資格システムは、どの資格も、自分の時間とお金と能力を使って最初に資格を取得してからその職業に就くシステムになっています。
交通機関には、鉄道、バス、船、飛行機と各種ありますが、鉄道以外の他の交通機関の運転士さんは、他の資格システムと同じように、まず自分で時間とお金と能力を使って資格を取得してからその仕事に就くようになっていますが、どういうわけか鉄道だけが、まず鉄道会社に入って、その中から運転士の資格を取らせるシステムなんです。
これは別に鉄道が特別な乗り物だからではなく、訓練に大きな専用施設が必要だからというわけでもありません。
ただ1つの理由は法律で運転士の受験資格が「満20歳以上であること。鉄道係員であること。」と定められているからなんです。
私は学生のころに飛行機の操縦訓練を受けて自分で操縦士の資格を取得しました。
飛行機でさえそういうシステムになっているのに鉄道では認められていないのはおかしいのではないだろうか。
鉄道と飛行機とどちらの運転が難しいかということは小学生だってわかるでしょう。
だから飛行機で認められていることが鉄道で認められないということは、安全性の問題ではなくて、規制の問題なわけですね。
つまり、お役所は前例がないことをやらないというだけの話なんです。
大きな鉄道会社ならば、それでよいかもしれませんが、ローカル線は、前例に従ってやってきて今こうなってしまってる。つまり、過去の延長線上に未来はないわけですから、前例にないこと、今までと違ったことをやっていかなければ未来はないわけで、だから国の方で考え方を変えていただく必要があるんです。
そういう私の話を聞いて、自ら訓練費用を負担して会社に入ってきてくれた一人が今回の武石さんなんですね。
5年も経つと、いすみ鉄道がやってきたことがだんだんと評価されて、700万円払って運転士になるということも、わざわざオンボロのディーゼルカーを導入して特別料金を取るということも「一般的」になった感がありますが、とにかく当時は「お前の会社は何を考えてるんだ。」的な意見が多かったのですが、私はそういう信念がありましたので、イデオロギーの塊のようなおじいさんたちの話には一切耳も貸さなければ返事もしませんでしたが、そういう私を信じて自分の人生にチャレンジしてきたのが武石さんたち第1期生の4人というわけです。
番組のオープニングは黄色い列車です。
六角精児さんが「房総っぽい景色ですね。」「いすみ鉄道はいいですね。」
地元の人たちも「なくなったら困るもんねえ」と言ってくれています。
大多喜駅に着きました。
事務所に入り「武石さんはいらっしゃいますか?」と尋ねる六角さん。非情のライセンス似の末吉課長が「武石はいたかなあ?」
すると反対の席にいた磯野課長が、「メガネかけた小柄な人ですよ。」と教えてくれました。
実は、磯野課長の席のわきには壇蜜のサインがあるのには六角さんは気づきませんでした。
武石さんの登場です。
小さいころから電車好きで国鉄に入ることにあこがれていた人です。
入社した時は確か43歳でしたが、もう47歳になりました。
武石さんが中学生時代に撮影した上野駅を発着するキハ58系急行列車。
今、この同じ車両を運転できるのですから夢がかなったということですね。
700万円の自社養成訓練生の募集新聞。
「もしいすみ鉄道が廃止になってしまったら、自分にはもう運転士になるチャンスがない。」
明日をも知れぬローカル線に飛び込んできた彼が言ってくれた言葉です。
キハ52の車内で六角さんと対談する武石さん。
今やいすみ鉄道と言えばこの「レストラン・キハ」
伊勢海老特急イタリアンコースの宣伝もしていただきました。
そして数秒ですが私も登場。
「花嫁募集中です。」と言ったもんだから、スタジオの西田敏行さんもゲストの皆さんも、話はそちらの方へ。
六角さんは武石さんの自宅を訪ね、武石さんのお弁当作りも取材されました。
そのお弁当を職場で食べるシーン。
同じ第1期生の高崎運転士も花嫁募集中です。
六角さんに運転の仕方をレクチャーする武石さん。
六角さんも大満足していただきました。
そしてキハを運転する武石さん。
ショックを感じずにうまく停車することができるでしょうか。
国吉駅に停車。
ショックは感じませんでしたが、停車位置を2メートルほど手前にずれて止まったのは誰も気づきませんでしたね。
自宅へ行くとか、お弁当タイムだとか、今までいすみ鉄道を取り上げてくれたNHKの「小さな旅」(同じ第1期生の吉井運転士が主役)、サラメシ、ドラマ「菜の花ラインに乗り換えて」などを思い出させる仕上がりでしたね。
後は花嫁さんを待つばかりです。
ご希望の方はいすみ鉄道社長まで履歴書をお送りください。(笑)
いすみ鉄道の自社養成乗務員訓練生はそろそろ定員に達してきましたので、あと1~2回の募集で終了となる予定です。
ただ今、来年4月入社予定者を募集しています。
募集人員は2名です。
チャレンジしてみたい方はいすみ鉄道まで履歴書をお送りください。(11月10日締め切り)
11月下旬に採用試験を行います。
なお、この募集は正式募集ですが、きわめて少人数の募集のため告知は大々的には行っておりません。
こういうところでさりげなく告知するだけですので、悪しからずご了承ください。
さあ、いすみ鉄道で次に夢をかなえるのはどなたでしょうか。
武石さんもぜひ次の夢へ向かっていってください。
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