国交省での会議

今日は午前中霞が関の国土交通省で会議が行われました。
「地域鉄道の再生・活性化等研究会」というこの会議は、平成24年度にスタートし、各地方鉄道の現状を把握し、その取り組み方法を検証しながら、どういう形でローカル線が今後も走り続けることができるかを探る会議で、いすみ鉄道社長である私も委員として参加しているのですが、この約2年の間に、いすみ鉄道の取り組みを始め、各地のローカル線の取り組み事例をたくさん取り上げて、それを項目ごとに分類して並べてみると、ある方向性が見えてくるというとても興味深い会議です。
こういうことを、国交省の本省がやっているということは、国が本腰を入れて地域鉄道を何とかしようと考えているということであり、その会議にいすみ鉄道が委員として常時参加させていただいているということは、国が直接いすみ鉄道で私たちがやっている取り組みを全部見ていて、「これは使えるな。」と考えてくれているということなのです。


[:up:] 厳かな雰囲気の会議会場です。私は、こういう厳粛な場に来ると、どうしても笑いを取りに行きたくなる性格ですから、本日も2発ほどかましました。
さて、ローカル線と一言で行っても、日本全国には第3セクター、私鉄などを合わせると90路線以上あり、それぞれにおかれている環境が違いますから、同じようなやり方で再生できるものではありません。
今日の会議では、この2年間に各地で取り組んできた事例などを合わせ、まとめの報告書を作るたたき台になる意見が出されましたが、その中で、ローカル線とは大きく2つに分けられるとしています。
1つは、生活路線グループで、沿線人口がある程度あり、定期利用者の割合が多く、利用者のほとんどが生活の足として利用している鉄道で、くま川鉄道や長野電鉄などの20路線がこのグループに入ります。
もう1つは観光路線グループで、観光路線としての色合いが濃く、定期利用者の割合が低い路線で大井川鉄道などがあげられます。
実は、以前のいすみ鉄道はこのどちらにも入りませんでしたので、存続問題が起きて路線の継続が危ぶまれていたのですが、皆様ご存じのように、ここ数年観光鉄道化に取り組んでいて、観光客の増加により収入がアップし、鉄道路線として経営していかれる目処がついてきたことが評価されているのでしょうか。会議の委員の皆様方も、いすみ鉄道の取り組みを大変よく見ていただいていて、成功事例の一つとして考えていただいているのです。
その証拠に、会議の報告書の案では、沿線に十分な人口がなく、生活路線としてやっていくことが困難な鉄道が観光鉄道化するときに必要なやり方として、
・他社(他者)との差別化を図った話題性の創出
・地産品を活用した物販や地域の観光施設等と協働した取り組みの充実
・積極的なPR活動による知名度の向上
この3点をポイントとして挙げていますが、いすみ鉄道が取り組んでいるのがまさしくこの3点であるのは、いすみ鉄道にご注目いただいている皆様方にはよくご理解いただけると思います。
そして、最後の重要なポイントとして、地域鉄道には「社会的価値」があるということに触れていて、つまり、ローカル線というのは、どんなにその鉄道会社ががんばっても、それ単体で利益を出していくのは難しい面がありますが、ローカル線が様々な取り組みをすることによって、地域の知名度が上がり、観光客の増加による観光振興が図られ、鉄道が存在することによって社会的な便益がもたらされるということが社会的価値があるということで結んでいます。
どうです?
凄い話でしょう。ていうか、そのまんま、いすみ鉄道のことが書かれているのが国土交通省の地域鉄道再生会議が結論として導き出した報告書の内容になるのです。
だから、そのために、老朽化している線路設備や車両も何とかしなければならないし、でも、こういう方向性の下に活動して行けば、線路設備や車両にお金をかけても無駄にはならないということを言っているわけですから、国もローカル線に本腰を入れ始めている。
だから、私は、ローカル線の未来は明るいと感じているのです。
でも、明るい未来があるのは、一生懸命頑張っているローカル線だけですからね。
何の有効な努力もせずに、やる気のない経営をしているところには明るい未来なんてないんです。
なぜならば、未来というのは自分たちで作っていくものだからなのです。

[:up:] 事例の一つとして紹介された伊豆急行の記念乗車券。映画やドラマとコラボするというのも基本的な取り組みなんですね。もちろん、いすみ鉄道でも平成25年度だけで、ドラマ4本、映画2本、CM3本、その他多数やってます。
さて、今日の会議の席上、いすみ鉄道の新しい取り組みとして、私が現在企画立案、そして実行に移しているプランを内緒でご紹介させていただきましたところ、皆さん大変驚かれて、そして大変喜んでいただきました。
「いすみ鉄道はそこまでやるのか!」というこのプランは、現時点では内緒話なんですが、2ヶ月経ったら発表いたしますので、どうぞご期待ください。
2か月後ですよ。
だから、今日の会議に出席されていた新聞記者の皆様。
まだ書いちゃだめですよ。
どうぞお楽しみに。