夜行列車運転報告

昨夜から今朝にかけて、いすみ鉄道では昭和のディーゼルカーキハ52・キハ28の2両編成を使用した夜行列車を運転しました。
今回もたくさんのお客様でにぎわいました。
この夜行列車は、団体列車としての企画で、午後7時過ぎに大原駅に集合していただき、まず地元のホテルへご案内いたします。
そこで、おいしいご飯をたっぷりお召し上がりいただき、お風呂へ入りたい方は入っていただいたのち、再び大原駅へ戻って列車にご乗車いただき、午後10時に出発します。
全長26.8?しかないいすみ鉄道で夜行列車を走らせてどうするの?
たいていの方はそう思われるでしょう。
夜行列車というのは「寝ている間に移動して目的地に到着する」ことができる便利な列車として昭和の時代はたくさん走っていましたが、飛行機や高速道路が発達した今の時代では存在価値がなくなってしまいました。
でも、夜行列車というのはブルートレインなどの寝台特急列車はもちろんのこと、硬い座席に一晩揺られる昔ながらの急行列車も、私たちの心に深い郷愁を呼ぶ列車として、たとえば演歌の歌詞にたくさん歌われるなど、何か知らないけれど心をひきつける存在だと思います。
目的地へ行くために一晩かけて移動する夜行列車という需要はすでにありませんが、「夜行列車に乗ってみたい」という需要は存在するのです。
観光鉄道と普通の鉄道の違いは何かというと、普通の鉄道は「目的地へ行くために乗るもの」ですが、観光鉄道というのは「乗ることそのものが目的」なわけですから、いすみ鉄道の夜行列車も、どこへも行かずに一晩中走って、朝大原へ戻ってきますが、それでよいのです。
その証拠に、今回で第5回目となりますが、どの列車も満席ですから、需要があるということでしょうね。


[:up:]入線するキハのヘッドライトを浴びながら撮影する皆さん。(上)
ホーム入口に集まる参加者の皆さん。


[:up:]よく見ると、女性の参加者もいらっしゃいます。


[:up:]大原出発時はなぜか「賀正」のヘッドマークは2つ。
種別表示は撮影する皆様のリクエストで「修学旅行」。
団臨企画ならではですね。

[:up:]温水暖房でじわっと温かい車内で皆様良い夢を見られたでしょうか。
ご乗車いただきましてありがとうございました。
さて、このキハ52ですが、本日12日の運転を最後に、当分の間運休となります。4年に一度の車体検査を受けて、予定では3月に復活します。
予定というのは、検査に入ってみてどんな不具合が発見されるかわからないことと、状態次第では部品の確保が難しくなる可能性があるためで、現時点ではコミットメントできないからです。
もう1両のキハ28の方も1両では営業運転できない形式のため、同じく運休になります。
キハ運休中の間の急行列車は黄色いムーミン列車のいすみ300形、350形で運転いたします。
伊勢海老特急もいすみ350形での運転となります。
ムーミン列車での急行運転もこの期間だけの「見もの」です。
皆様どうぞムーミン列車の急行もお楽しみください。