北京訪問 その2

私の親友である日本航空北京支店の江利川支店長さんが代表を務める北京の日本人会の会合にお招きいただきまして、講演をさせていただく機会がありました。
私は、いすみ鉄道のような羽田からも成田からも近い「ローカル線」は、外国人観光客にとっても絶対に魅力があると考えていますが、日本人が「外人」っていう場合、特に東日本地域の人たちは、今でもアメリカ人やヨーロッパ人が外人だと考えている節がありますが、(九州では中国、韓国、台湾、東南アジア人が一般的です。)、日本の国が海外からの観光客を2000万人にしようという目標を立てている以上、東日本地域の観光地だって東南アジアや中国のマーケットを無視することは考えられないわけで、それが現実だと思うのです。
今、中国人の旅行嗜好を見ると、東京から大阪を結ぶ、いわゆるゴールデンルート、つまりディズニーランド、東京、鎌倉、箱根、富士山、京都、奈良を巡るツアーが一般的ですが、こういうルートは最初のうちは魅力的だけど、何度も日本に来ているうちに、もっと人と違ったところを見たいと思い始めるのが観光客の心理です。
日本人も1970年代から1990年代にかけて、それまでの添乗員付きの「農協さん」と呼ばれていた観光スタイルから、徐々に個人旅行に変化してきたことを考えると、中国人のマーケットは、モバイルの発達もあって、もっと急速に、日本人が20年かけて変化してきたことが、中国では5~6年で起こるのではないかと考えていますから、まもなく、中国人も、いすみ鉄道のようなローカル線を乗り歩くスタイルの旅行をし始めると確信しています。
そうなった時のために、今から手を打っておく必要がありますから、今回の北京訪問では、江利さんのお手配で2つの場所を親善訪問させていただいたのです。
その1つ目は、CYTSと呼ばれる中青旅観光旅遊分公司。
中国人のマーケットに日本を含む海外の観光をご紹介している中国政府公認の機関です。
ここの総経理(社長)の韓葵さんをご紹介いただき、昼食会を設定していただいたのが下の写真です。

[:up:] 左から日本航空江利川支店長、CYTS中青旅 韓総経理、そして私。
韓さんは日本語が堪能で、日本に10年間お住まいだったこともあるとのことで、日本ではどちらにお住まいだったのですか? と聞きましたら
「中板橋です。」とのお返事。
「えっ? 私は大山なんですが。」
ということで3人で意気投合しました。
(実は江利川支店長は学生時代、下板橋にいらしたんです。)
私が、上に書いたような中国人の旅行マーケットの今後についての話をさせていただくと、韓さんは全く同感していただき、
「中国人はやっぱり日本が大好きで、旅行先としても日本に行きたい。でも、何度も行っているうちに、他の人が行かないようなところを訪ねてみたくなります。そういう時に、千葉県はきれいな海岸があって美味しいシーフードがありますし、いすみ鉄道のようなローカル線の旅の良さを理解する中国人も徐々に増えてきていますよ。」とおっしゃってくれました。
私が意外だった韓さんの言葉は、
「いすみ鉄道の近くに麻雀博物館があるでしょう。あそこは中国人は皆行ってみたいところですよ。」とおっしゃったこと。
韓さんばかりでなく、日本への観光のお仕事をされている中国人は皆さん麻雀博物館の存在をご存知でした。
日本ではあまり有名じゃないところも、中国人にとっては行ってみたい魅力的な所なんです。(残念ながら現在は休館中のようです。)
これから、成田空港発着で、房総半島を2泊3日で巡る旅のプランを作って、韓さんにご提案させていただくお約束をしてきました。
そして次に訪ねたのが、日本政府が設置しているJNTO日本国家旅遊局北京事務所。(JAPAN NATIONAL TOURISM ORGANIZATION)
前日意気投合していただいた伊地知英己所長さんの事務所です。

[:up:] JNTO日本国家旅遊局 北京事務所にて 伊地知所長さんと。


[:up:] このJNTOは、中国人に日本の観光を奨励し、日本の観光地のPRをしていただいている国の機関で、事務所で配布している千葉県のパンフレットを開いてみると、ちゃんといすみ鉄道の紹介もされています。うれしいですよねえ。

さて、夕刻には北京の日本人会の会合に出席させていただき、講演をさせていただきました。
100名以上の皆様がお越しくださいました。
わざわざお越しくださいましてありがとうございました。
講演時間もかなり延長して1時間40分になりましたが、皆様方にはとても感激していただきました。

[:up:] 講演を終えて、江利川支店長と記念撮影。
私が江利さんにお土産に持って行った2冊目の著書 「ローカル線で日本を元気にする方法」 は、北京の日本人会のライブラリーに入ることが決定しました。
でも、蔵書では売り上げが伸びませんから、「アマゾンで買えますから、みなさん、ちゃんと買ってくださいよ!」と申し上げました。
この後、
日中経済協会北京事務所の田村暁彦所長さん、
京セラ北京支店首席代表の渡辺信博さん、
損保ジャパン北京支店長 篠崎康雄さん
JX日鉱石油北京事務所長 武川昌俊さん、
三菱東京UFJ北京支店長 高橋剛志さん、
みずほコーポレート銀行北京支店 西村浩二さん、
JTB北京支店代表 山崎道徳さん、
丸紅北京支店 下田佳晴部長さん、
双日のCAO 井村正規さん、 
(順不同、タイトルは日本読みとは少し違うかもしれません) 
などなど、全員の皆様をご紹介することができませんが、たくさんの皆様方との懇親会を設けていただき、親交を深めることができました。
特に日中経済協会北京事務所の田村所長さんは、経済産業省での彼の上司が私の幼馴染だったりして、とても打ち解けることができました。
海外に行くと、日本のエッセンスのように要人が集まっていますから、とても狭い世界なんですね。
もちろん私の口から会場の皆様方に申し上げたことはただ一つ。
「いすみ鉄道に投資しませんか。ネーミングライツでも良いですよ。5000万円ぐらい安いものでしょう。」ということ。
今回の北京訪問で私が得た人脈はすごく大きな財産になること間違いありません。
何しろ、地方の観光協会が直接門をたたいたとしても絶対に開かないような門の内側へ、わずか2泊の滞在でスイスイと入り込んだのですから。
大多喜町、いすみ市ばかりでなく、千葉県、勝浦市、御宿町も含めて、観光協会、観光産業の皆様、いすみ鉄道を利用しない手はないでしょう。
皆様が本気でしたら、いくらでもお繋ぎいたしますので、ご連絡をお待ちいたしております。
ちなみに私が考える2泊3日の房総半島観光ルートは
成田空港到着-いすみ鉄道体験乗車-鴨川シーワールド-勝浦三日月黄金風呂(宿泊)-大原朝市体験-麻雀博物館-成田山-ゆめ牧場-犬吠崎(宿泊)-銚子電鉄-酒々井アウトレット-成田空港から帰国
こんな感じでいかがでしょうか?
(つづく)