尊い人々

先週の金曜日(21日)に千葉県介護福祉士会の20周年記念総会にお招きをいただき、講演をさせていただきました。
介護福祉士というのは皆様ご存じのように、高齢者介護を行っていらっしゃる方々で、とても大変なお仕事を黙々とこなしていらっしゃる方々です。
そういう尊いお仕事をされていらっしゃる尊い人々ですから、私は、自分でも認めますが、彼らの爪の垢でも煎じてありがたくいただかなければいけない側の人間なんです。
彼らは人間を相手にする介護という仕事をされていて、常に人間の尊厳に向かい合っている。
それに比べて、いすみ鉄道の社長としての私は、どうやったら売り上げが上がり、どうやったら地域に人が来てくれるかということを寝ても覚めても考えているわけですから、ひと言で言えば「俗物」なわけです。
そんな、尊い仕事をされている彼らに「俗物」である私がいったい何をお話をしたらよいのでしょうか。
私は、皆様の前で偉そうにお話をさせていただくような人間ではないんです。
応対していただいた介護福祉会の副会長さんにそのように申し上げました。
これが素直な気持ちです。
そうしたら、副会長さんはこうおっしゃられました。
「列車が車内灯を光らせながら夜の闇の中を走っていく。それを見た人たちは安心するでしょう。それが福祉なんですよ。駅に人がいて明かりがついている。その駅の灯を見ると、みんなが安心するんです。それが福祉なんです。社長さんは、自分が気づかない間に、しっかりと社会福祉を行っているんですよ。」
何というあたたかいお言葉でしょうか。
これが、効率一辺倒の今の世の中で、効率では測れない介護という仕事を、地味だけど、日々黙々とこなしていらっしゃる方々の言葉なんです。
すごく重くて深いんですね。
私は、逆に皆様方から教えられました。
日本の介護の現状はとても厳しいと言われています。
補助金だとか税金だとか、いろいろ言われていますが、現場で日々、介護活動に従事されていらっしゃる方々は、別の物差しを持っていらっしゃる。
我々がふだん基準にしている価値判断とは全然違う物差しで物事を判断し、お仕事をされていらっしゃるのですね。
千葉県介護福祉士会の皆様、ありがとうございました。
講師としてお招きいただきましたが、逆にたくさんのことを教えていただきました。
私は俗物でくだらない人間ですが、いただいたお言葉をしっかりと胸に刻んで、一生懸命頑張っていきます。
皆様もお体にお気を付けになられて、日々の仕事を頑張ってください。
皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたしております。