ここ数日の静岡のビッグニュース。
何をもってビッグニュースというかはそれぞれでしょうけど、私としてのビッグニュースは静岡空港から全日空が撤退するということです。
全日空は静岡―新千歳、静岡―那覇の2路線を飛んでいて、それが撤退するようです。
撤退の理由は利用率の低迷で、まぁ、そりゃそうだよね、と個人的には思います。
なぜなら、羽田と中部空港に挟まれている地域ですから、どちらにも2時間ほどで行かれます。
札幌へ行くにしても那覇に行くにしても、羽田なら1日に20本以上出ているし、買い方にもよりますけど、お値段もそちらの方が安めですから。
大型機材を使って大量輸送する方が、当然ですが安いのです。
地方空港の存続条件の第一は羽田便、大阪便があること。
地方都市との輸送ボリュームとしてはやはり羽田がダントツで、その次が大阪。
静岡からだとどちらも航空路線になりません。
まず第一にこれが空港の立地条件としては致命的なんです。
まして、新幹線が走ってますからね。
広島も福岡も、新幹線を選ぶ人が多いでしょう。
ということで、航空路線を考えた時に、静岡という場所は不利な位置づけなのです。
それと、全日空が札幌と那覇の両方を同時に運休する理由。
静岡の皆さん的にはあまり考えてもいないかもしれませんが、全日空の飛行機は札幌から飛んできて静岡に到着すると、40分駐機してその飛行機は那覇行になるのです。
そして、那覇から飛んできた飛行機が同じように40分駐機して札幌行になる。
こういうオペレーションをしているから、同時に両方廃止になるのです。
もう一つの理由。
全日空はB737で飛んできていますが、この飛行機は160人乗りです。
これに対してFDAはE170という小さな飛行機で70人乗り。
採算分岐点はFDAの方が低いんです。
もちろん全日空にも70人乗り程度の飛行機がありますよ。
でも、その飛行機はダッシュ8というプロペラ機です。
静岡―沖縄の距離は1400km。
ダッシュ8で飛んで飛べない距離ではありませんが、プロペラ機が就航する路線としてはちと長すぎて飛行機の運用効率が低くなりますし、第一あなた、プロペラ機で3時間近くかけて沖縄まで飛びたいと思いますか?
FDAが使っているE170という飛行機はJALも使っていますが、実は今から20年以上前ですが、64人乗りのYS11が引退するときに、その後継機として同等の大きさの飛行機を選んだのですが、JALはE170というジェット機、全日空はダッシュ8というプロペラ機を選択しました。
プロペラ機と言っても今の時代は性能が良いですから、小型機が就航する福岡―宮崎とか大阪―高知程度の距離であればジェットもプロペラも所要時間はほとんど変わりません。ということで、同じ大きさの飛行機ですが、JALはジェット機、全日空はプロペラ機となったのですが、静岡―札幌や静岡―那覇となるとどうしてもジェット機になる。
で、全日空の場合、ジェット機となると160人乗りのB737になってしまうわけで、大きすぎてローカル路線では採算が取れないということになるのです。
ていうような航空事情を私はわかっていましたから、この路線はそろそろ危ないなあと思っていたのですが、やっぱりなあ、という感じです。
では、どうしたらよいのか。
これはね、もう前例はいくらでもあるわけで、例えば石川県や富山県が空港をどう維持してきているか。
空港だけじゃなくて航空路線をどうやって維持しているか。
北陸新幹線が開業したら金沢まで3時間、富山は2時間半ですから、学者先生が言うところの「4時間の壁」によると、航空路線は維持できないところなのです。
岡山空港も同じですね。
岡山―東京も新幹線で3時間15分の距離ですから、4時間の壁に負けていて、新幹線があれば十分の距離ですが、実は岡山空港は今、羽田便が10本もあって、駐車場も第4駐車場まで拡張して、とてもじゃないけど歩いてターミナルビルまで行けないので駐車場の無料シャトルバスが出ているのです。
このように、本当は新幹線があれば飛行機などいらない距離にあるにもかかわらず、空港が立派に機能しているにはそれぞれに理由があって仕組みが存在するからなのですが、私が見る限り、静岡空港にはどうもその仕組みがあるとは思えませんから、そう考えると静岡空港はどうも先行きが暗いなあと思うのであります。
台湾便復活のために中華航空にアプローチしても「無理ですね」と言われているようですが、まぁ、私の後輩のM君がいくら中華航空で偉くなったとしても、無理でしょう。
なぜなら航空会社というのは1機の飛行機をどこへ飛ばしたらより収益が上がるかということを考えていますから、収益性が低いと判断したところからは撤退するのです。
実はこれが航空会社の強みでありまして、鉄道のように自前で線路を引くようなビジネスではありませんから、あっという間に逃げられてしまいます。
ということは、逃げられないような仕組みが必要なのです。
そう、航空会社に対しては逃げられないような仕組みづくりが必要なんですが、静岡空港の場合はそれが弱いというか無いというか。
これ以上言うと「けしからん」と言われそうですから、ここでは申し上げません。
ビジネス論の続きは私のオンラインサロンでお話ししましょうかね。
ここから先は有料記事でございます。(爆)

この間乗ったチェジュ航空。
やはりB737でしたが、乗客は6割程度でした。
LCCで6割程度の搭乗率は「ちょっとやばいな」と私は感じました。
台湾便の復活はなさそうだし、大陸さんは運休だしね。
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