大井川鐵道で活躍する蒸気機関車C10型の8号機は1930年製。
今年95歳です。
これを記念して、10月8日から記念乗車券を発売します。


私が特に良いなと思うのは、右側の切符。
上は金谷ー新金谷間の往復切符。
国鉄時代にこんな切符たくさんありました。
房総の海へ行く海水浴往復切符や、野辺山高原へ行く八ヶ岳往復切符など、期間限定で発売されたものもありまして、そういう切符を持って旅行しましたね。
目的地へ着くと、駅の改札口で半分手でちぎられるんです。駅員さんに。
そして、右側の小さい方を渡される。
それが帰りの切符です。
そんな経験をされた方は皆さんすでに50歳を超えていると思いますが、つまり、蒸気機関車C10が95歳になるというのは、そういうことなのです。
その下の四角い大きな切符は、駅で補充券として発売されていたものでしょうか。
通常、駅では行先ごとの切符を用意しているのですが、あまり売れない区間などはこんな補充券で発行されました。

そうそう、トキ鉄の市振駅で発売の補充券と同じスタイルです。
昔、可部線の前面展望ビデオを発売したときに、三段峡駅でこの補充券を発行してもらって、ご購入いただきました皆様へプレゼントしたことを思い出しました。
てな感じで、実に昭和チックなC10-8記念乗車券セットですが、何しろ戦前、戦中、戦後と生き抜いてきた機関車ですからね。
そしてそして、皆様ご存じの通り、このC10-8号機は私にとっては思い出の大切な機関車なんです。

昭和50年12月にC57135が引く室蘭本線の旅客列車、D51241が引く夕張線の貨物列車を最後に日本の国鉄線上から蒸気機関車が姿を消しました。
その時中学3年生だった私は、高校受験が終わって、さぁ、好きなSLを思う存分楽しもうと思っていたら、そのSLがなくなってしまったのです。
私は失望のどん底でした。
そんな時、岩手県の宮古の工場内の専用線で、国鉄形のSLがまだ走っているという情報を聞きつけて、夜行列車に乗って訪ねて行ったのですが、その時の機関車がこのC10-8号機なのです。




昭和51年3月、宮古のラサ工業という工場の専用線で入換に活躍していたC10-8号機です。
今から50年も前の話になりますが、これが私が見た現役最後の蒸気機関車で、この後は同じ昭和51年に復活した大井川鐵道のC11-227になるわけですが、この時の現役最後のC10-8が、今回95歳を迎えた機関車なのであります。
ということでですね、大井川鐵道のC10-8記念切符には、そういう昭和の時代の長い長い歴史が刻み込まれていますので、ぜひ皆さん、とりあえずこの切符をご購入いただきたいと思います。
ちなみに、C10‐8は現在全般検査中で、11月中旬以降に本線復帰を予定しています。
そのころには12系客車もデビューしていることですので、この機関車がまた新しい歴史を築いていくことになります。
95歳にして新しい挑戦をする機関車ですから、65歳の私など、まだまだ若造ですね。
機関車に笑われないように、私もチャレンジしていきたいと思います。
みなさま、C10-8をどうぞよろしくお願いいたします。
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