今日は山開きでした。

今日は山開きがありまして寸又峡へ行きました。

正確に言いますと「南アルプス寸又峡口山開き安全祈願祭」。
神事です。

大井川鐵道に来て1年が経過し、こういう地元の式典に出席しても顔見知りの方が増えてきました。

「社長、がんばってるね。ありがとうございます。」

などとお声をかけていただきますが、いえいえ、大井川鐵道が川根温泉笹間渡-千頭間が不通なので南アルプス登山のお客様にもご不便をおかけしているのでございます。

今日も地元の重鎮の方のスピーチで
「昭和43年から大井川鐵道は山岳夜行を走らせてくれていて、国鉄の夜行列車が金谷駅に臨時停車をして、たくさんの山登りの方々がいらしていただきました。昭和43年と言えば、あの金嬉老事件の年です。」
と言われていましたが、皆さん、金嬉老(きんきろう)事件って知らないですよね。
私たちの世代は皆知っている日本全国を震撼させたライフル立てこもり事件ですが、世間は忘れても地元の人は忘れてはいません。
それと同じぐらい大井川鐵道が金谷に臨時停車する国鉄の夜行列車に接続して、山岳夜行を走らせていたということもまた、地元の皆様方にとっては大切なことなのであります。

ということで、今年はその山岳夜行を再現するべく、大井川鐵道の夏休みの夜行列車も「山岳夜行」の名前を復活させて運転するのであります。

寸又峡から新金谷に戻ったら気温35度。
今日も暑い。

で、黒SLの検査中に運転されている「ブルートレイン急行」ですが、今日はこんなヘッドマークが付いていました。

「あさかぜ」です。

東京発のブルートレインは「さくら」「はやぶさ」「富士」「みずほ」「あさかぜ」「出雲」などがありましたが、私は「あさかぜ」のヘッドマークが一番好きでした。
神田の交通博物館で「あさかぜ」のピンバッジを買って、中学校の制服に付けていたことを思い出します。
まぁ、この機関車にヘッドマークを取り付けてなんちゃってブルトレをやるなんて馬鹿じゃないの?という素直じゃない御仁はいらっしゃらなければ良いだけですから、こういうのが良いとおっしゃっていただける方は、ぜひお越しください。

そして昨日に続き今日も取材対応。
暑い中いらしていただきましてありがとうございました。

大井川鐵道での私のミッションは
・できるだけ費用をかけずに
・最大限の効果を上げる企画を打ち出し
・すぐに売り上げにつなげること
なのでありまして、第3セクターではありませんから、そうやってキャッシュを常に生み出していかなければならないのです。
取材では以上のようにお答えさせていただきました。

そうしたら、その取材を受けている横で、何やらニヤニヤとしているおじさんが約1名。

同い年のお友達が乗っていました。

「いやぁ、最高だねえ。朝からずっと乗っているけど、この時間の過ごし方は良いねえ。1号が金谷10時ちょうど発でしょう。10時ちょうどと言えば東京駅を出る『桜島・高千穂』だからねえ。3往復するとちょうど米原ぐらいかなあ。」

などとのたまいながら、何本目かのビールをプシュッ。

まぁ、大人の遊びですね。
1日乗り続けても4800円ですから、お金持ちじゃなくても遊べますよ。
新金谷駅から歩いて5分の所にコンビニがありますから、50分の大休止中に途中下車してロックアイスを仕入れてくれば、35度の暑さの中でも快適ですよ。

「扇風機がこんなにもありがたいって、久しぶりに気付きましたよ。冷房なんかどこへ行ってもなかったけど、昭和の人間はみんな元気だったなあ。」

と、遠い目をしていました。

猛暑ではありますが、冷たいお飲み物は車内販売で買えますし、ロックアイスはコンビニで買えますから、昭和の夏を楽しみに、大井川鐵道でお待ちいたしております。

こういう楽しみができるかどうかって、精神的余裕があるバロメーターになるのではないでしょうか。

ビール列車と山岳夜行もよろしくお願いいたします。
組み合わせればEL急行からずっと乗れますよ。

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