今日はバック運転

今日は一時的に電気を止める時間帯があったことから、SL列車の補機についている電気機関車が使えなくなりました。
そのため、黒SLのC10の列車を機関車1両で運転しました。

機関車1両で行くということは終点に着いたら方向転換が必要です。
でも、現状、折り返しの家山には転車台がありませんから、当然帰りはバック運転です。

大井川鐵道で活躍しているC10、C11、C12というタンク機関車はもともと短距離の行き止まり支線用に作られたもので、そういう路線は終端駅に転車台がないところが多かったので、終点に着いたら機関車を付け替えてそのままバックで帰ってくるということが求められました。後ろに石炭や水を積むテンダーと呼ばれる炭水車があると、バック運転の時に後方が見えにくいという問題があります。
短距離路線であれば、石炭も水もそれほど搭載しなくても大丈夫ですから、こうしたタンク機関車が重宝がられたのです。

そして3~4両の客車であればもともと機関車1台で十分なのですが、今は災害で途中で止まっている状況です。現状走れる一番遠い駅は川根温泉笹間渡ですが、この駅は線路が一本なので機関車を反対側に付け替えることができないので、後ろの電気機関車を付けて、帰りは電気機関車が先頭になるというプッシュプル運転をしているのです。

今日、運転したのは朝の家山折り返しの列車ですから、客車3両を引いて機関車1両で運転できたのです。

やっぱり、タンク機関車はバック運転が似合いますね。

この写真は私が中学3年生の時に宮古のラサ工業で撮ったC10-8。
この時もバック運転で貨物列車の入れ替えをやっていました。

そうそう、バック運転と言えば思い出すのは福島県の日中線です。

日中線は磐越西線の喜多方から分岐する11.6kmの支線で、SL時代はC11が活躍していました。
1日3往復しか列車が走らず、しかもその列車がすべて機関車けん引という路線でした。

朝1往復した後は夕方と夜にそれぞれ1往復。
日中線なのに日中は列車が走らないと揶揄されていました。
国鉄時代ですが、朝は通勤客と通学客は同じ列車で良いけれど、帰りは学生が夕方、通勤者は夜になりますから2本必要なんです。
だから最低が3往復。
これが日中線だったんですね。

終点の熱塩に着いた列車は機関車を切り離し、機回しという機関車を反対側に付け替える入換をする作業がありますが、その作業を15分程度の時間でこなしていました。

貨車の取り扱いもありましたので結構忙しかったと思いますが、大井川鐵道も1日に何度も入換をして、テキパキ作業を進めています。
私は列車が発着するたびに事務所の窓から列車を見ていますが、入換のテキパキさは見事なもんだと思います。

11:37に新金谷に到着して、すぐに機関車を切り離し、入換をして千頭方に機関車を付け替えて11:52に発車。

日中線当時と同じ15分で折り返して発車していきました。

ということで、今日は貴重なバック運転。
機関士さんに「今日は大変だね。」と声をかけたら、「この間夜行でやりましたから大丈夫ですよ。」と言ってくれました。

今日、撮影できた方はラッキーでしたね。

今度のバック運転は12月31日の年越し夜行です。

そうそう、年越し夜行には78名の定員のところ、220名様のご応募をいただきましたので、本日厳正なる抽選の結果、当選された方には会社からご案内のメールが届いていると思います。
期限までにお手続きをしていただきますようお願いいたします。

キャンセルが出た場合は再度抽選とさせていただきます。
まだまだ可能性がありますよ。

今回ダメでも次の夜行列車は1月25日、その次が2月15日に運転予定ですから、どうぞお楽しみにお待ちください。