小さな鉄道記念日

今日は鉄道の日。
以前は鉄道記念日と言いました。
明治5年に新橋-横浜間に陸蒸気と呼ばれる小さな機関車で鉄道が開業した日です。

その鉄道の日に糸魚川駅で「小さな機関車」のお披露目がありました。

地元では「くろひめ号」と呼ばれていますが、昭和57年まで糸魚川市の東洋活性白土と呼ばれる会社で製品の積み出しに使われていたナローと呼ばれる小さな機関車で、日本で一番新しい昭和31年製の蒸気機関車。そして日本で一番最後まで活躍した蒸気機関車であります。(保存機は除く)

その機関車を糸魚川市が今まで大切に保存してきていたのですが、今回、きれいに整備をし直して糸魚川駅構内の誰もが見ていただける場所に移転して保存することが決まりまして、そのお披露目のための除幕式典が本日開催されました。


▲除幕式の前の「くろひめ号」。


▲そして除幕式。
姿を現しました。


▲ご挨拶をする糸魚川市の米田市長さんです。


▲続いてご挨拶をするこの方は糸魚川市議会の中村議長さん。

実は、このご挨拶で開口一番中村議長さんの口から「私は鉄道が大好きで、この機関車を何とかきれいにして駅に保存できてよかった。」とのお言葉が。

もともと糸魚川は国鉄時代から鉄道の要衝で機関車の基地もあった関係で、直江津同様地域の皆様方は今でも「糸魚川は鉄道の町だ。」と言われるのですが、市長さんはもちろん議長さんまでそういうお気持ちをお持ちだと知り、私は身が引き締まる思いでした。

キハ52の静態保存。レンガ造の機関車の車庫の一部保存、トワイライトの復元車両、鉄道模型の展示、そしてくろひめ号と、行政がこれだけ鉄道に力を入れている地域はおそらく他にはありません。
だとしたら、トキ鉄としては、その皆様方の気持ちにお答えしなければならないということで、身が引き締まる思いがしたのです。

中村議長さんの口からは「糸魚川を鉄道の聖地にしたい!」と力強いお言葉をいただきました。

続いて私もご挨拶をさせていただきましたが、中村議長さんのお言葉をフォローする形で、「直江津と糸魚川の2つの鉄道の町を結ぶのがトキ鉄です。トキ鉄が糸魚川を聖地にするお手伝いをさせていただきます。(中略) 皆様来春をどうぞお楽しみに。」
とお話させていただきました。


▲その後、このくろひめ号のエピソードをお話しいただきましたのは、成田のゆめ牧場を拠点に保存活動を熱心に展開されている羅須地人鉄道協会代表の角田幸弘さん。
当時の写真を交えて貴重なお話をいただきました。
本当に勉強になりました。

というのも、糸魚川という所は鉄道趣味人の間では全く無名のところでした。
それが、「なんだか珍しい機関車が走ってるぞ。」と、このくろひめ号の話で全国的に有名になったのが1970年代。そして廃止されたのが1982年。
約10年間ほど盛り上がったのですが、廃止とともに糸魚川は忘れ去られました。

その後、2000年代に入ると大糸線で最後の活躍をするキハ52が話題になって、徐々に盛り上がり、2008年ごろにはたくさんの人たちが訪れるようになりました。
ところが、2010年のキハ52の運用終了により、糸魚川は再び忘れ去られることになったのです。
そして、そのキハ52をいただいたのがいすみ鉄道で、そのいすみ鉄道がそれ以降大変な盛り上がりで瞬く間に全国区になったのですから、その経緯をすべて見てこられた市長さんも議長さんも、私の顔を見るたびに「何か古い車両を持ってきてくれ!」と言われるのです。(今日も言われました。)

ということで、私をトキ鉄に呼んでいただいたからには、私としては再び糸魚川の地名を全国区にしていくことが使命だと感じているのでありますが、そのことを本日再び確認させていただいたこの式典でした。


▲式典終了後、報道陣のインタビューにこたえる米田市長さん。

こんな小さな機関車の除幕式にこれだけの報道関係の方々がいらっしゃるのですから、なかなかどうして、名実ともに鉄道の町なのであります。

その市長さんのマスクにご注目。

ほらほら、トキ鉄でこの日のために作ったくろひめ号のマスクですよ。

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ぜひ、ご購入ください。

ということで、本日は小さな機関車の鉄道記念日のお話でした。

10月17日は糸魚川で鉄道祭りがございます。

3密を避けて感染対策をしたうえで開催いたしますので、ご来場の際は皆様どうぞご協力をよろしくお願いいたします。

私も会場へ参りますよ。