ローカル線に必要なストラクチャー

ローカル鉄道で大切なのは情景です。
いすみ鉄道のキハのような昭和のディーゼルカーが走る路線に求められるのは、やはり昭和の情景ですね。
そしてその昭和の情景が、いすみ鉄道沿線にはたくさん残っているから、その良さがわかる人たちが都会からたくさんやってきてくれるのだと思います。
ただ、私が一つ物足りないと思っていたこと。
それは、昭和の情景で何か足りないんじゃないかということです。
で、何が足りないか、皆さんお気づきになっていらっしゃいましたか。
▼私はこれが足りないと思っていたんです。


わかります?
お墓です。
Nゲージのストラクチャーでも人気建造物なのはご承知の通り、昭和の情景の中である種の必須アイテムがお寺やお墓。
日本の田舎の風景、昭和の原風景には、やはりお墓が必要なんです。
お墓があって、その向こうをローカル線の列車が走っていく。
私は、これも地域の宝だと思いますし、観光資源だと思います。
そして、観光資源である以上、磨いて光らせなければなりませんよね。
磨いて光って初めて資源が活きてくるわけです。
ということで、誰が磨くかというと、撮り鉄の皆様方に磨いていただこうと思うのです。
いすみ鉄道沿線の田園風景をこよなく愛する撮り鉄君たちに、お墓やお寺をアングルに入れて素晴らしい作品を撮っていただくことで、沿線地域を磨いて光らせてほしいと考えています。
そのために、このお寺を訪ねてご住職の方にお願いをしてきました。


▲いすみ市の日蓮宗東漸寺(とうぜんじ)さんです。

▲中央が米倉ご住職。右が新田野ファームの藤平社長さんです。
いすみ鉄道の社長が訪ねてきて、「お墓はローカル線の情景として欠かせない存在だから、撮り鉄さんたちに境内への立ち入りと撮影を許してほしい。」と申し上げたところ、実は意気投合してしまいまして、いろいろ話し込んでしまい、あっという間に日が暮れてしまいました。
だから写真は日没後の薄暗い雰囲気。
これはこれでお寺っぽくていいんじゃないでしょうか。
ご住職がおっしゃられるには、お寺というのはコミュニティーの場ですから、いろいろな人にいらしていただくことは当然のことなのです。こういうこともご縁ですから。
ということですので、皆さん、東漸寺さんの境内でお墓と田んぼの向こうを行くいすみ鉄道の写真をぜひ撮影してください。
皆さんがたくさん写真を撮っていただくことで、この資源が磨かれていくことと思います。
ただし、檀家さんにご迷惑がかかるといけませんから、家の名前が書かれているお墓をアップで撮影した写真などの発表は注意してください。
それと、お寺の境内に立ち入られるときは、ご住職がいらっしゃる場合はご挨拶をお願いいたします。
場所は新田野駅から踏切の横の新田野ファームを抜けて、国吉駅方面へ歩いたところ。
新田野駅からでしたら歩いても10分もかかりませんし、お寺の駐車場もありますから車でも大丈夫です。
できれば拝んでお賽銭もお願いしたいと思います。
ローカル鉄道の社長が、撮り鉄のために地域のお寺と交渉して便宜を図ってもらう。
たぶんそんな社長は他にはいないと思いますが、そういう男がいたっていいじゃありませんか。
お寺のご住職だって、お寺に人がいらしていただくことが発展につながるとお考えなんですから。
力作をお待ちしております。
いすみ鉄道の新田野開発のはじまりはじまり、です。