静岡県の第3セクター鉄道、天竜浜名湖鉄道(掛川―新所原)全長67.7㎞の路線が6月1日に85周年を迎えます。
旧国鉄二俣線という路線を引き継いで国鉄末期に第3セクター鉄道として開業した天竜浜名湖鉄道(以下、天浜線)ですが、もともとは国防上の理由から作られたものでした。
というのも、第2次世界大戦がはじまる以前、世の中がきな臭くなってきた時に、浜名湖付近を走る東海道本線はとても脆弱な部分であり、敵に攻撃されたら日本の大動脈が寸断されることになると考えた国は、急遽、東海道本線のバイパスルートとして二俣線を建設し、1940年(昭和15年)6月1日に全通したのです。
太平洋戦争が始まったのがその翌年の1941年12月ですから、世の中、そういう動きだったんでしょうね。
今、JR東海がリニアリニアと躍起になっていますが、これも同様で、南海トラフ地震が発生したら東海道新幹線が大きな被害を受けるということが、2011年の東日本大震災ではっきりとわかったのですから、それ以降急ピッチで工事が進んでいるわけで、東名高速道路だって同じですから、山奥の人が住んでいないような高いところを新東名が走っている。
国防というものを今一度考えさせられるのが、つまりはリニアなのでありますが、天竜浜名湖鉄道はまさしくその国防のために作られた路線なのです。
お乗りになってみればおわかりいただけると思いますが、天浜線は駅構内がやたらと広い。かつてのホームの有効長も10両編成が停車できるほど長い駅が所々にあって、それは、つまり、東海道本線の長編成列車が走れるようになっているのです。
というような、時代の生き証人のような路線が天浜線ですが、その天浜線が6月1日で85周年を迎えます。
うれしいですね。
だって、国鉄の末期に「こんなもの要らないよ」と国が匙を投げた路線を地域の人たちが「自分たちで守るんだ」と言って、かれこれ40年近くやって来てくれて、85周年を迎えるのですから。


天浜線のFacebookページには懐かしい国鉄時代の貴重な写真があります。
そう、天浜線と言えばC58でしたから。
今、私が住んでいる掛川駅近くにも同形式のC58が保存されていますが、最近ではエヴァンゲリオンなど、若い人たちを取り込むようないろいろな企画も展開しています。

天浜線のFacebookページには6月1日のイベントの告知があります。
皆様、この機会にぜひ天浜線にご乗車いただけたらと思います。
まっすぐな線路、広い駅構内、長いホーム。
「確かにここは大幹線として建設されたんだ。」
ということがおわかりいただけると思います。
C58が走っていた天浜線に、私はいつか大井川鐵道のSLを走らせてみたいと思っています。
だって、お隣りさんですからね。
一緒に地域を盛り上げていきたいと思います。
皆様、天浜線にどうぞご注目ください。
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