クハ455ー701の現況

クハ455の検査が始まりました。

トキめき鉄道では車両の検査はJRの長野工場に委託しています。
だから、このクハ455の検査は他社への委託ではなく、自社でやるということで実は大きなチャレンジなのです。

この写真は仮の台車をはいているところ。
本来の台車はすでに工場へ運んで車輪の踏面(とうめん)というのですが、車輪がレールに接する部分の断面形状が基準を満たすための切削作業や、台車の内部に亀裂がないかを調べる超音波検査などに回されています。

この台車を抜く作業というのはジャッキで車体全体を持ち上げて行うのですが、トキめき鉄道では40トンを持ち上げることができるジャッキが備わっています。

私は就任した時に車庫の設備を全部見て回り、こういう台車やクレーンなどが装備されている検修庫があるのに気が付きました。
こういう設備があれば、何も検査を外注に出さなくても自社でできるのです。

私が就任した当時はトキめき鉄道が開業して4年半という時期でした。
第3セクター鉄道としてJRから分離された当初は、とにかく列車を安全正確に走らせることで精いっぱいだったことは容易に察することができました。
でも、開業から5年が経過すれば、会社全体として当然次のステップに進まなければなりません。
これだけきちんとした設備がある以上、運輸部の車両担当部門に求められることは、自社で車両の大規模検査を行うということですから、私は事業計画を作成するときに、次の5年は自社で車両の検査を行うようにするという項目を盛り込みました。

でも、いきなり自社で車両の検査を行うということはなかなかできるものではありません。幸いにして私には前職時代からのお付き合いが工場各社さんとありましたので、そういう会社さんのご協力のもと、この455からやってみようということで、自社での検査第一号にチャンレンジしているのです。

他社へ外注に出すといっても、例えばJR長野工場へ車両を運んだとして、結局台車やモーター、エンジンやトルクコンバーター、計器類など、各種部品を取り外して別の専門の工場に運び、そこで修繕を行って運び帰って再度取り付けるという工程ですから、このようにジャッキやクレーンという設備があればできると私は考えました。

で、このクハ455はモーターもパンタグラフも電源装置もない付随車ですから、今回は、自社で取り掛かる車両としてはそれほど難関でもないということで、まず、自社検修の第一号としたのです。

でも、だからと言って車両の検査は特殊作業ですからそう簡単なものでもありません。
車両課のチームが一生懸命準備や調整をして、今、こうしてスタートしたのであります。


車庫の外では切り離された413系が2両置かれています。


こういう断面というのもなかなか見ることはできませんので、ある意味「もえだん」と言えるかもしれません。

このクハ455の検査風景を見ることができる車庫の見学会を1月28日、2月4日、2月11日に行います。

昨日お知らせしました私がご案内するぶらり途中下車の旅のコースの一環として組み込んでありますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

1月28日は高田の町中巡りコース
2月4日は鮟鱇コース、
2月11日は夜行列車コースです。

詳細はえちごトキめき鉄道のWebサイトにてご確認ください。

▼お申し込みはこちらとなります。▼
https://reservation.echigo-tokimeki.co.jp/

2月11日のコースは本日ご予約開始しましたが埋まってきております。
どうぞお早めにお申し込みください。

車庫見学だけのコースは実施いたしませんのでご了承ください。