機関車が引く列車に乗るチャンス。

列車には動力がどこについているかによって2つの分け方があります。

まずは電車やディーゼルカーなど、編成の各所に動力が付いているもの。
これを動力分散方式と言います。
中央線や山手線の電車なども、無動力車(付随車)、動力車が組み合わさって10両とか11両などの長い編成が成り立っていますし、ディーゼルカーの列車なども基本的にはすべての車両に動力が付いていますから、長い編成を走らせるために各所に動力を持っているという意味で動力分散方式と呼びます。

これに対して動力集中方式という編成があります。
先頭に付いた機関車が動力のない客車や貨車を引っ張って走るタイプの列車で、今では貨物列車以外ではほとんど見かけなくなりましたが、昔のブルートレインやSL列車などはこの動力集中方式と呼ばれるタイプの列車です。

その、今では貨物列車以外ではほとんど見かけなくなった列車が本線上を長時間走る企画が来月山陽本線であります。

サロンカーなにわは14系客車から改造された昭和の国鉄時代の車両で、今では貴重な機関車が引く客車列車。
機関車が引く列車というのは、電車やディーゼルカーと違って、「引っ張られる感覚」を体験できるという点ではとても貴重で、昔経験している人にはとても懐かしいものがありますね。

機関車というのは1台あれば貨物列車も旅客列車も引っ張ることができるすぐれもので、鉄道の歴史イコール機関車の歴史と言っても過言ではないほど長年にわたって活躍してきたのですが、最近ではそれこそ貨物列車以外にはめっきり姿を見なくなりました。

その理由は
・モーターやエンジンが小型、高性能になって、客車の下に取り付けられるようになったこと。
・動力が先頭にあるため、加速減速が遅いこと。
・終点に着いたら機関車を反対側に取り付けなければならないこと。
・ローカル線などでは列車の編成が短いため、力持ちの機関車のパワーが必要ないこと。
・旅客鉄道と貨物鉄道が分離されたこと。
などによるのですが、逆に考えると機関車が1台あれば安い客車を揃えて需要調節ができるというのもメリットだと思います。

でもまあ、時代の趨勢として、いずれ客車が寿命になれば機関車が引く列車には乗れなくなることは間違いないでしょう。
今じゃなければ乗れない列車。
それも10時間にわたるほどの長距離、長時間。
新幹線開業前の山陽本線の旅の再現ですね。
貸切列車ですから、車内で各種イベントもあるようです。
秋の休日、親子での思い出づくりにも良いですね。

ということで、サロンカーなにわで行くのんびり山陽路と途中下車の旅
ぜひ機関車が引く客車列車の体験してみてはいかがでしょうか。

この秋おすすめの長距離列車の旅です。