天皇陛下のお言葉を拝聴して

天皇陛下がお気持ちを述べられました。

テレビ中継で、全国民へ向かって、直接お話しされました。

天皇という立場ではなくて、個人としてのお考えを示されました。

こんなことは今まで一度もなかったことなのですが、

皆様方はこのお言葉を聞かれて、何を思われましたでしょうか?

 

現天皇陛下は改革者魂にあふれる方だと思います。

若い皆さん方はご存知かどうか知りませんが、かつて、学習院からの帰り道に逃亡されたことがありました。

友達と一緒にいきなり走りだし、お付きを振り払って目白の駅から山手線の電車に飛び乗って、繁華街へ出かけ、その友達とラーメンか何かを食べられて、何気ない顔で家に戻った「事件」を起こされました。

1950年代のことですから、まあ、皇室は大騒ぎだったでしょうね。お付きの人は、かわいそうにこっぴどく怒られたか、職が危うくなったかもしれません。

でも、子供らしいと思いませんか?

 

美智子様とのご結婚もそうですよね。

どうしても好きになっちゃったんだから結婚したい。

初めて、皇族外の一般人からお嫁さんをもらいました。

この伝統は、今の皇太子である浩宮様にもしっかりと受け継がれています。

 

その浩宮様を育てるにあたっても、乳母が育てるのではなく家族で育てるという全く新しいスタイルを取り入れられました。

皇族として戦後初めて沖縄へ出かけられて、慰霊碑の前で頭を下げられたのも今の天皇陛下ですが、その時、過激派から火炎瓶を投げつけられるという被害に合われました。

それでも、それで取りやめされることなく、その後何度も沖縄をご訪問され、昨年にはパラオも訪問されました。

つまり、今の天皇陛下は、今までの因習にとらわれることなく、国民のためになることであれば、常に新しいことをはじめ、改革を実行されてこられたフロンティアスピリットあふれるお方だと私はお見受けいたします。

 

ところが、その改革者である天皇陛下を取り巻く人たちというのは、皆さん「前例のないことはやりたくない。」「新しく物事を始めることができない。」人種の中でも、極めつけの方々が集まっている。だから、天皇陛下が何度言っても、言うことなど効かない人たちなわけです。

 

今回のお気持ちを述べられるにあたって、いろいろ紆余曲折があったと聞いております。少なくとも、数年前からことあるごとに「こんなやり方じゃだめだから、改革しようよ。」と提言されていたようですが、そういう話を無かったことにするのが得意な方々なんでしょうね。だから先に進まなかった。でも、おそらく、そういう組織の中にも、数度の陛下のご要望をなかったことにする人たちに対する勢力もあるようで、そういう心ある人たちの誰かが上手にリークさせたことが、今回の国民的議論の発端になり、直接お気持ちを述べられるテレビ放映につながったと私は考えています。

 

つまり、そういう組織があって、そこに所属する人たちの気質というか考え方というか、不文律があって、それをぶち壊すのは天皇陛下でさえも大変だったということだと私は解釈しています。

 

「余計なこと言わないで、黙って天皇としての仕事をやっていればよいのだ。」

 

この国には、こういう勢力が脈々と存在していて、それが、天皇陛下でさえ物言えぬ存在としてしまう。

 

そういう脈々と存在する勢力に向かって、「俺は自分が考えていることを言うんだ。」とぶち壊していく第一歩が今回のお言葉だと私は考えることにしています。

 

なぜなら、そう考えると、天皇陛下から実に大きな勇気や生きる希望をいただくことができるからで、それこそが、天皇陛下が国民一人一人に対して、そうあってほしいと望まれていらっしゃるからだと、私は思うのであります。

 

私は右翼でも左翼でもありませんが、一人の国民として、天皇陛下を応援したいと思います。

 

まっすぐに、思いのままに行動していただきたいと考えます。

そして、どうぞ、いつまでもお元気で。