房総半島はもう春の気分です。

寒い毎日が続いていますが、関東地方でも晴天が続かなくなり、お天気もだんだんと春が近づいてきたことを知らせてくれています。
房総半島でも2月も中旬になれば、もう春の気分です。
観光というのは「先取り感」が重要です。
果物など季節の農産物も同じですが、他の商品や他の地域よりも一足早く提供できれば、それだけでお客様を呼ぶことができます。
そういう意味で、御宿と勝浦のイベントは凄いなあと思います。
今日から御宿で「まちかどつるし雛めぐり」が始まります。
22日からは勝浦で「ビッグひなまつり」が始まります。
この2つのお祭りには「春先取り感」の他にも「凄いなあ」と思うことが2つあります。
2つめは、「街中の人たちが協力していること。」
商店街やふつうの民家でもつるし雛や雛人形を飾って、道行く人たちの目を楽しませるのはもちろんですが、家々の人たちが前の道路に出て、何か商品を販売したり、観光客と話をしたりすること。
ふだんは締めてある雨戸やシャッターも、この時だけは開けて、訪ねてきてくれた観光客の皆様方に楽しんでいただこうという気持ちが表れています。
3つめは、「特にこの地域にゆかりがあるものでもないものをお祭りにしていること。」
2つとも昔からずっと続いているお祭りではなく、新しいコンセプトで始めてからまだ日が浅いお祭りです。
御宿のつるし雛も、もともと御宿のものではなく、伊豆半島の文化です。
勝浦のビッグひな祭りも、四国徳島の阿波勝浦というところのお祭りです。
そういう地域と何らかのご縁で結ばれて始めたお祭りです。
だから、私は思うのです。
いすみ市だって栗駒とのご縁で「みんなでしあわせになる祭り」を恒例行事にして育てていくべきだし、大多喜だって本多忠勝の城下町だけにこだわるのではなく、「鉄道祭り」をやったって構わないのです。
勝浦や御宿が、なぜ自分たちの伝統でもないこういうお祭りを始めたか。
そして、なぜ、何万人も人を呼ぶ祭りになったのか。
こういうところにビジネスチャンスがあって、そのチャンスを逃すことなく取り入れて自分たちの物にしていく姿勢が、勝浦、御宿は先人なのだと思います。
だって、1年中で一番観光客が来ない2月にイベントを仕掛けているのですから。
面倒くさいから、何もやりたくない。
伝統でもなんでもないことはやってもしょうがない。
そういう考えの人は、できるだけ早い時期に、次の人にバトンを渡さないといけません。
リーダーの資格がない人がリーダーを続けていくことは、地域とその地域の次の世代を担う若い人たちから見れば、罪なことなのです。
伝統や歴史というものは作って行くものですから、今日からでも遅くはないのです。
皆さん、御宿、勝浦にぜひお越しください。
そして、そのついでにいすみ鉄道と沿線地域に立ち寄ってください。
海岸沿いの町とは一味違った雰囲気に気づかれるはずです。