井川線はこのところマスコミで各種報道してくれたおかで、ありがたいことに急にお客様が増えていまして、5月6月は昨年の2倍の方々にご乗車いただいております。
これは駆け込み需要というのかもしれませんが、結局のところ批判する人はたくさんいても、実際に来ていただける方は限られていて、でも、小さな列車ですから、皆さんに来ていただこうと欲張ったところで対応しきれませんから、それなりのキャパをどのように活かしていくかしかないということで、実際にいらしていただいた方にご満足いただける仕組みづくりをしているところです。
井川線は売り物がたくさんありますが、なかなかその良さが伝わっていないという現状があります。
魅力のまず第一はトロッコ列車。
小さな客車でガタゴトと走る列車は、なかなか味わえるものではありません。
そして何よりの特徴は日本一の急勾配区間。
千分の90という上り勾配を、線路の間に刻まれたラックレールにきかんしゃの車輪に付けられた歯車をかみ合わせて登るアプト式と呼ばれる区間は、日本唯一、アジアで唯一です。
廃止されたあの碓氷峠の横川―軽井沢間が千分の67でしたから、それよりもはるかに急こう配を登ります。
その他にも有名な奥大井湖上駅や、長島ダム、井川ダムといった大規模ダムへ駅から3分で行くことができるなど、見どころたくさんで、それがかえって「どこを見たらよいのでしょうか?」と焦点がぼやけてしまうほど、見どころたくさんの鉄道なのであります。
で、昨今の観光列車化の話題で、もう普通列車が無くなってしまうのではないかと思っている人が多くいらっしゃるようでして、そうなると今のうちに切符を買っておこうという「特需」も生まれているようで、先日も私の友人の千葉和弘さんという方が、わざわざ茨城県から井川線に乗りに来てこれだけの切符を購入されていました。

7月以降の井川線は観光列車となりますが、
・一部途中駅は通過するものの、ダイヤは現状とほとんど変わりません。
・事前予約制で必ずお乗りいただける方式となります。(今までは小さな車両で座れるかどうかわからない状況でした。)
・空席がある場合は予約なしでもご乗車できます。
・地元とタイアップしたお弁当付きや温泉入浴コースなどの新しいコースがいくつかできます。
などなど、観光にいらっしゃる方々へ、今までご不便に感じられていたことを解決できるような仕組みを作っていきます。
なにしろ、井川線沿線はコンビニなどが1軒もありませんから、フラリとやって来こられて気軽にご乗車いただくにはハードルが高い路線なので、食料の確保も課題なのです。
ということで、普通列車は1日1往復走りますので硬券切符の発売も継続しますのでご安心ください。
ところで、先週でしたか、コレクション目的で定期券を買いたいという方がいらっしゃったようです。
通勤定期券は異本的には誰でも買えると思っている方が多いと思いますが、JRや他の私鉄ではたいていはそうですね。でも、大井川鐵道では利用実態の伴わない定期券は販売しない規則になっています。
それがJRなどとルールが違うところですが、「おかしいじゃないか」とネットで炎上してると教えてもらいました。
でも、別におかしくはありません。
会社によってルールが異なりますからね。
大井川鐵道では通勤定期券であっても実際に使用する前提でなければ発売はいたしません。
なので、窓口で「どちらの会社にお勤めですか?」「社員証はありますか?」などと確認させていただく方式を20年以上前から取らせていただいております。
今後、7月1日以降は地元にお住まいの方でしたら2年間の全線フリーパスをお求めいただけますし、観光列車を含む全列車に乗れるようになりますから、実質的に定期券というものが無くなる予定です。
そういうことを全体としてパッケージで企画しているのですが、そういう報道よりも3500円の値上げになるという話題ばかりで、「最大20倍の値上げになる」などというセンセーショナルな見出しのところもあるものですから、こちらが伝えたいことを伝えていただくという点ではマスコミ報道を頼るのは厳しいものがありますね。
私の場合はこうして自分の文章できちんとお伝えするツールを持っていますし、YAHOOニュースと合わせると全国で40万人ぐらいの皆様方に届きますが、でも自分の口から言うと弁解がましく感じますので、先日インタビューのご依頼をいただきましたライターの杉山淳一さんに、「きちんとした記事にしていただくこと」を前提に単独取材に応じました。
杉山さんは10年以上前から大井川鐵道を取材されていらっしゃって、会社の事情や井川線の構造などもおそらく私よりも詳しくご存じなので、その杉山さんが記事にしていただいたリンクを貼っておきます。
この記事の内容がほぼほぼ真実ですので、皆様ぜひご一読いただければと思います。
ネット記事は紙面の制約はありませんし、上層部の思惑も影響しません。
マスコミのニュースは受ける側が何も考えずにいきなり信じてしまう傾向がありますが、ネットニュースというのは受ける側が「本当だろうか?」「いったいどういうことだろうか?」と自分で考えて判断する傾向があります。
読者の皆様方はご自分なりの判断で杉山さんの記事をお読みいただければと思います。
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