6月中旬になり、梅雨にも入りましたので、今日あたりは静かな新金谷駅でした。


午前中激しかった雨も昼には上がり、お日さまが出てきました。
SLもELもトーマスも走らない今日は、駅構内もシーンとしていて客車がのんびりと休んでいます。
この光景を見て私は「平日の真昼間(へいじつのまっぴるま)」という言葉を思い出しました。
昭和の頃は、平日の真昼間は電車に乗るお客様も少なくてガランとしていました。
今のように多様性の時代でもなく、観光客が歩き回ることもなく、平日の真昼間といえば皆さん会社へ行って、オフィスや工場で一生懸命働いている時間です。
子供の頃、友達が平日の真昼間に電車に乗った時に、大人の人が電車に乗っているのに驚いていたことがありました。
「みんな会社へ行って仕事をしているはずなのに、この人たちは何してるんだろうか」
当時の子供たちは背広を着たおじさん達が昼間っから電車に乗っている姿が不思議だったんです。だって、みんな会社でお仕事をしているはずですから。
そのぐらい昭和の時代は人々の行動が皆同じだったのです。
「鳥塚、下河原線で平日の真昼間におもしろい電車が走っているの知ってるか?」
ある時そう言われたことがあります。
下河原線というのは中央線の国分寺から分岐する国鉄の支線で、朝夕は通勤輸送のためたぶん101系が走っていたと思いますが、平日の真昼間はお客様が乗らない時間帯です。
そういう時間帯は1両で走れる旧型国電がのんびりと走っていました。
その電車というのは今、大宮の鉄道博物館で保存されているクモハ40です。


▲国分寺から南に分岐する下河原線は北府中、東京競馬場前の2駅だけの支線でした。
時刻表を見る限り、日中時間帯は30分間隔で電車が走っていたようです。
もちろん平日の真昼間ですから私は見に行くことができず、そのうち下河原線は武蔵野線の開通で廃線になってしまいましたので、結局乗ることはできませんでしたが、その代わり私は青梅線へ行って旧型国電のチョコレート電車を堪能しました。

鶴見の大川支線にも1両で走ることができるクモハ12というチョコレート電車がかなり遅くまで残っていましたが、平日の真昼間というのは、つまり誰も電車に乗る人がいませんでしたから、1両で走れる車両が重宝したのでしょう。
土休日はともかくとして、平日の真昼間は本当に電車が空いていて、駅構内もガランとしていたことを、今日、新金谷駅で思い出しました。

当然ですが、経営的にはよろしくありません。
いくら6月で梅雨時の平日とはいえお客様が居ないのですから。
でも、こういうのんびりとした光景が味わえるのも昭和のローカル線を今に伝える大井川鐵道の良さだと私は思います。
昨日もこのブログで福島県の喜多方から分岐していた日中線の話をしましたが、日中線は当時1日3本しか列車がありませんでした。
朝と夕方と夜の3本です。
それだけ日本人の行動が同一的だったということですが、つまり、平日休日問わず、真昼間には列車が走らなくても誰も困らなかったのでしょう。
1日3本(3往復)だけしか列車が走らないなんてすごいですねえ。
そう思う人もいると思いますが、いえいえ、なんのなんの。
1日3本も列車が走っていたら超過密ダイヤでしょう。
というのも、私が知る限り、日本一列車本数が少なかった路線は、1日なんと1往復しか列車が走りませんでした。
そんな路線あったんですか?
どんな山奥の田舎だろう?
そう思われる方もいらっしゃると思いますが、どこだと思いますか?
北海道?
九州?
いえいえ、実はここ静岡県なんです。
1日1往復しか列車が走らなかったのは静岡県の清水港(しみずこう)線という路線です。


東海道線の清水駅から分岐する8.3kmの清水港線。
朝、清水を出て、夕方清水へ戻る1日1往復。
高校生が乗っていたのでしょうか?
土地柄、水産品や加工品などの貨物輸送に使われていたことは明らかですが、それにしても1日1往復とは。
しかも客車列車ですよ。
国鉄は一体やる気があったのかどうか。
疑わしくなりますね。
廃止は1984年ですから今から41年前。
当時18歳だった人が今は59歳ですから、今度清水で会合に出た時にでも聞いてみましょうか。
清水港線で学校に通っていた人いますか?って。
一応太平洋ベルト地帯の静岡。
それも県庁所在地の隣の清水です。(今は静岡市清水区)
そういえば上越市の中学生は「清水交換」と言って、夏休みや冬休みなど上越市と清水市で交換留学をする制度があったようで、清水では「上越交換」と言われています。
この間、どなたかと話していたら、「上越ですか、懐かしいなぁ」と言われていましたが、どうやら清水から上越交換で冬の上越市に来た経験がありそうでした。
とまぁ、時刻表を子供のころから見てきた私の特技ですが、誰もいない新金谷の駅ののんびりとした光景を見て、今日はそんなことを思い出しました。
全国のママの皆さんへ、
お子さんが電車が好きといったら大切にしてあげてくださいね。
ゆめゆめ「電車なんかやめて勉強しなさい!」などと言って目くじらを立てないこと。
どうせ、あなたと旦那さんの子供ですから、いくら無理に勉強させたって大したことはありませんよ。
それよりも、ひとつのことに集中する子供時代を過ごすことができれば、大人になっても、お爺さんになっても、こうして幸せな人間でいられるのです。
「社長みたくなってはいけませんよ。」
というなら話は別ですがね。
そうそう、この清水港線で1984年まで走っていた客車が、今、大井川鐵道で現役なんですよ。
知ってましたか?
大井川鐵道は歴史の宝庫なのです。
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