大井川鐵道は本日100周年を迎えることができました。
一言で100年と言いますが、長い長い道のりがありました。
私が大井川鐵道に初めて乗りに来たのはSLの復活運転が始まった1976年ですから、かれこれもう半世紀前になりますが、そう考えると、この100年の内の半分を大井川鐵道で経験していることになりますね。

若かったころは、いろいろと考えました。
どういうことを考えたのかというと、
・私鉄には国鉄形の蒸気機関車は似合わない
・電化されている架線の下を走るのは変だ
などなど、まぁ、考えてみたら当時はまだまだ非電化のローカル線が全国に残っていましたので、そういうところの方がSLが走るにはふさわしいと考えたのは当然といえば当然ですが、あれから50年近くが経過してみると、すっかり沿線の景色に溶け込んでいる姿に、毎日のように魅了されています。
私がよく思い出話をする福島県の日中線というローカル線がありましたが、日中線が開業したのが1938年で、SLが廃止されたのが1974年ですから、日中線でSLが走っていたのは36年間なんですよね。
でも、大井川鐵道ではもう50年近くSLが走っているのですから、これって、地域の皆様方にとってみたら、すっかり地域の顔になっているわけで、川根本町の沿線は今運転できない状況の中で、地域の皆様方がどういう思いをされているかということは、痛いほどよくわかるのです。
何しろ、ふるさとの鉄道ですからね。
そして、そのふるさとの鉄道というのは、50年も前からSLに乗りに来たり写真を撮りに来たりしている地域外の人たちにとっても、「ふるさとの鉄道」だと、私は自分の経験を振り返って思います。
ということで、これから次の100年に向かってとなるわけですが、そんなに大きな目標ではなく、とりあえず1年、そしてまた次の1年へと進んでいくことが求められる状況です。
引き続き頑張ってまいりますので、大井川鐵道をどうぞよろしくお願い申し上げます。
▼本日のNHK静岡のニュースです。
大井川鉄道の社長 不通区間は4年後の全線再開を目指す考え|NHK 静岡県のニュース
▼SLおにいさん、SLおねえさんのストーリー(期間限定公開)
この2人にはGWから一部列車で乗務に復帰していただく予定です。
それでも私は・・・ -SL専務車掌の現在地-
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